FXの証拠金の仕組み【証拠金維持率】を管理するサバイバルテクニック

「FXの証拠金って、いくつかあるけど、それぞれ何が違うの?」

 

「証拠金維持率って、ロスカットとどういう関係があるの?」

 

そんなモヤモヤをお持ちの方もいらっしゃると思います。

 

これを、曖昧にしていてはサバイバルもおぼつきません。

 

しっかり、整理して理解して生き残っていきましょう。

 

「証拠金維持率」が低くなると、取引ができなくなることもあるため、

トレードをするなら、現在のポジションに対し、

どれくらいの証拠金が必要なのか常に把握しておくことが大切です。

 

今回は「証拠金維持率」の基本的な仕組みと

注意点について確認していきましょう。

 

あわせて「証拠金維持率」の目安や計算式、

維持率を下回らないための資金管理の方法も解説していきます!

 

証拠金とは

FXは預け入れた資金を担保にして取引を行います。

「証拠金」とは、取引に必要な資金のことです。

 

FXでは売買を成立させるために一定の証拠金が必要となります。

 

証拠金には大きく分けて、

  • 受入証拠金
  • 必要証拠金
  • 有効証拠金

の3種類があります。

 

受入証拠金

FX会社の口座に入金している全額の資金のことです。

必要証拠金

実際にFX取引を行うために必要な、ポジションを維持する証拠金のことです。

 

そのため受入証拠金は、必要証拠金の金額を

常に上回っている必要があります。

 

仮に、受入証拠金が必要証拠金を下回ってしまった場合には、追証を求められたり、

強制ロスカットの対象となったりします。

 

有効証拠金

有効証拠金とは、「あとどのくらい取引できるか」

という余力の資金のことです。

 

計算式は以下になります。

 

・必要証拠金ー含み損益=有効証拠金

 

現在ポジションをもっている場合は、

有効証拠金からポジションを維持するための必要証拠金を差し引いた金額が、

新たに注文を出せる証拠金となります。

 

有効証拠金が不足しているときは、

  • 新たに資金を追加するか、
  • 保有しているポジションをいったん決済しなければ、

新たに注文を出すことができません。

 

レバレッジと証拠金の関係

FXではレバレッジをかけて、預けた証拠金よりも大きなトレードがをできます。

 

レバレッジとは「てこの原理」のことです。

 

持っている資金の10倍、25倍などレバレッジ

をかけた分だけ大きな取引が可能になります。

 

ちなみに現在の日本の国内FX会社のレバレッジは

金融庁の指導で、最大25倍までとなっています。

 

たとえば米ドル円が1ドル100円のときに、

1万通貨を取引するためには

100円×1万通貨=100万円が必要となります。

 

そのまま購入しようとすれば、手元に

100万円がなければなりません。

 

これでは、ほぼ、普通の両替ですね。

 

しかし、FXではドル円を1万通貨購入するのに

レバレッジを使えば、100万円より少額の資金で

取引を行うことができます。

資金が5万円の場合、レバレッジをかけると

どれくらいの取引ができるのか見てみましょう。

  • レバレッジ2倍
    レバレッジ2倍×資金5万円=10万円分の取引可能
  • レバレッジ10倍
    レバレッジ10倍×資金5万円=50万円分の取引可能
  • レバレッジ25倍
    レバレッジ25倍×資金5万円=125万円分の取引可能

取引代金の4%が必要証拠金となっている場合は、

・100万円×4%=4万円

の資金でレバレッジ25倍をかければ、ドル円を

100万円分取引することができます。

 

しかし、ギリギリの資金では少し変動しただけで

強制ロスカットされてしまうことも考えられます。

 

すぐに強制ロスカットされないためにも

資金には余裕を持って取引することが大切です。

 

これがもし、海外のFX会社、例えば、XM

であったら、レバレッジ888倍。

 

日本の25倍の35倍以上になります。

つまり、イメージ的には、レバレッジ1倍の現金が

短銃に対して、海外FXの888倍は、大砲の破壊力ですね。

 

証拠金維持率の目安と計算式

「証拠金維持率」とは取引口座に入金している

証拠金に対して、ポジションを維持するのに

必要な証拠金の比率を示すものです。

 

一般的に、証拠金維持率の目安は250~300%だ

といわれています。

 

証拠金維持率の計算式は、以下になります。

 

証拠金維持率の計算式

有効証拠金÷必要証拠金×100=証拠金維持率(%)

 

具体例を見ていきましょう。

 

たとえば 口座に10万円を入金したとします。

 

米ドル/円が1ドル100円のときに1万通貨を

買った場合で考えてみます。

 

100円×1万通貨=100万円で国内FXはレバレッジが

最大25倍までなので、

100万円×レバレッジ25倍=4万円

となり、1万通貨を買うに必要な証拠金は4万円

になります。

 

ではこのときの証拠金維持率を見てみます。

 

証拠金維持率の計算式に当てはめると、

10万円÷4万円×100=250となり

この場合の証拠金維持率は250%になります。

 

以下の表はレバレッジと証拠金維持率の関係性です。

  • レバレッジ 証拠金維持率
    1倍   2,500%
    2倍   1,250%
    5倍   500%
    10倍 250%
    20倍 125%
    25倍 100%

 

例えば、国内証券会社Aでは

証拠金維持率が100%になってしまうと、

  • 新規にポジションを持つことはできなくなります
  • さらに100%より下回ると追証が発生
  • 50%を下回ると強制ロスカットされる

ことになります。

 

取引スタイルに応じた証拠金維持率の目安

スキャルピング・デイトレードはレバレッジ10倍(証拠金維持率250%)程度が目安

スキャルピングやデイトレードのような短期売買は、相場に急な変動があった場合に

すぐに損切りできるので、多少レバレッジを大きくしてもリスクは小さいといえます。

 

ただし最大限のレバレッジ25倍まで上げて取引をすると危険なため、レバレッジは

10倍程度にしたほうがいいでしょう。

 

たとえば米ドルが1ドル100円のときに1万通貨の取引をしたいと思ったら、

100×1万通貨=100万円。

 

100÷10(レバレッジ10倍)=10万円の資金が目安になります。

 

スイングトレードはレバレッジ2倍(証拠金維持率1,250%)程度が目安

スイングトレードの場合は数日~数週間の

比較的長い取引になるため、為替相場の

大きな変動にも対応できるような資金で

取引をすることが望ましいです。

 

レバレッジは2倍ほどにおさえておきましょう。

 

米ドル/円が100円のとき1万通貨の取引をしたいと思ったら、

100×1万通貨=100万円。

 

100万円÷2(レバレッジ2倍)=50万円の資金が目安になります。

 

証拠金を減らさないための4つのサバイバルテクニック

【サバイバル技術1】損切りも1つの大事な判断

FX取引はプロの投資家でも常に勝ち続けることはできません。

 

損切りはこれ以上資金を減らさないためにとても重要な技術です。

 

適切な損切りを行うためには、ポジションを保有

するときにあらかじめ損切りラインを設定しておくのが基本です。

 

大きな含み損を抱えてから損切りを行おうとしても、心理的になかなか難しくなってしまうのが人間です。

 

損失が大きければ大きいほど「決済したら損失確定か・・・」と損切りをためらってしまうことも考えられます。

 

しかし、それ以上損失がますます膨れ上がってしまうと、強制ロスカットになってしまうかもしれません。

 

そうならないために、相場が思惑とは逆方向に動いてしまったときは、損切してコストを素直に払うべきです。

 

含み損を知らん顔して、一番痛い思いをするのは自分です。

 

シナリオが違った時点で、素直に負けを認め、コストを払う。

 

自分がエントリー時に決めておいたところで

必ず損切りをするのがサバイバルに必要なテクニックです。

 

【サバイバル技術2】ポジション管理を適切にコントロールする

 

証拠金をどれだけ積み増したとしても、証拠金に

対して保有しているポジション数が多すぎれば、

証拠金維持率は安全な状態を保てなくなってしまいます。

 

そのため、適切に証拠金維持率を保っていくためには、ポジション数の管理が必要です。

 

自分の証拠金と照らし合わせたうえで、

どのくらいポジションを持てるかを見極めることが大切です。

 

FXで勝ち続けていくためには、証拠金維持率を

適切な水準で保てるようにしていきましょう。

 

損失が膨らんでしまって証拠金が目減りしてしまったときは、新たに資金を追加するというのも1つの方法です。

 

一時的に損失が発生している場合には有効な手段ではあるものの、トレンドが変化しているときは注意が必要だといえるでしょう。

 

なぜなら、保有するポジションがロスカットされるだけではなく、追加した資金も失うことになってしまう恐れがあるからです。

 

マージンコールが発生してしまったときは、安易に証拠金を増やすことを避けて、

保有するポジションの整理を考えてみるのも1つの方法だといえます。

 

【サバイバル技術3】レバレッジ上限を固定できる口座で証拠金維持率の管理をする

事前にレバレッジの上限を固定させておけば、資金や相場の変動にも対応しやすくなります。

 

証拠金の管理で大切なのは、自分が持っている証拠金がどのくらい減ったら強制ロスカット

されてしまうかを、あらかじめ認識しておくことです。

 

たとえば米ドル/円が1ドル100円のとき、

買いポジションを持ってからどのくらいレートが下がると強制ロスカットされてしまうのか見てみましょう。

 

※ロスカットルールが50%の場合

 

ほとんどの国内FX会社はレバレッジが最大25倍で、

資金や為替相場の変動によって自動でレバレッジが変わってきます。

 

しかしレバレッジ上限を制限できれば、

レバレッジの倍率に合わせて資金を入金すればいいので初心者の方でも資金管理が楽になります。

 

 

もしこれが、海外のFX会社、レバレッジ888倍のXMの場合、ロスカットルール20%になるので、以下のようになります。

 

 

【サバイバル技術4】まずは少額取引からはじめて証拠金維持率を高く保つ

証拠金維持率を高く保つためには、資金には余裕を持って取引をすることが大切です。

 

例えば10万円の証拠金で、1万通貨から取引可能な口座を利用しても、為替相場が

大きく変動した場合すぐに証拠金維持率が低下してしまうことが考えられます。

 

そんなときはいったん1,000通貨以下から取引ができる口座を新しく開き、

証拠金維持率を高く保ちつつ安心して取引をすることがオススメです。

 

資金に見合った取引量で取引をおこなえば、証拠金維持率が上がり強制ロスカットを

さけることができます。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

 

資金管理をすることはFXで利益を出す上でとても大切です。

戦場で自分の命を守る、守備力のようなイメージです。

 

証拠金維持率が下がってしまうとマージンコールや

ロスカットが起きる可能性があります。

 

あらかじめ自分で決めたポイントでロスカット

(自主撤退)を行うことも大切です。

 

感情に流されずに冷静に取引をしていくためにも、

自分の決めたルールを守り、資金(命)を守りながら

利益(戦果)を伸ばしていきましょう。

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