こんにちは、ビジョナリーインベスターズのFXロボです。
投資の世界では、10月末買い・翌年4月末売りという半年間保有の投資が注目されています。
特に株式投資の世界では優位性のある投資方法とされており、過去データでも示されている説(アノマリー)です。
本記事では、10月末買い・翌年4月末売りの概要や優位性について解説をしていきます。
10月末買い・翌年4月末売りとは
10月末買い・翌年4月末売りとは、その名の通り「10月末に投資商品を購入して上がる事を見越し、翌年の4月末に売る」という方法を指します。
約半年間の間で保有をし続けるといった手法です。
これは、国内証券である楽天証券で掲載されたコラムに記載された内容であり、優位性の高い手法とされています。
幾多の投資商品がこのサイクルで流れているとされており、投資業界に大きな影響を与える説と言えるでしょう。
株価下落のパターン
10月末買い・翌年4月売りを提唱している著者は、株価の下落パターンを以下のように分析しています。
株価が下落しやすい月は「5月」「9月」「10月」である。
この過去統計が、10月末買い・翌年4月売りの理論に繋がっているという事です。
9月10月はボラティリティが高い事や、投資家心理、消費者の行動などが時期的な相場のパターンに表れているとされています。
10月末買い・翌年4月末売りのパターン
続いて、複数の投資商品で10月末買い・4月末売りのパターンを見ていきます。
日経225
まず見ていくのは、日経225の直近相場での動きです。
これは、2020年10月と2021年4月に〇を付けた日経225チャートです。
10月末買い・翌年4月末売り通りに大きな値幅を付けて上昇をしている事が分かります。
昨年の10月はコロナウィルスの影響で、日経平均の落ち込みも大きかった年です。
4月には大きな上昇地点を推移している事から、大きな利益を出せる相場であったと言えるでしょう。
2019年10月から2020年4月は、コロナショックの影響による株価の下落でこの理論には至っていません。
2017年、2018年でも10月の価格より、翌年の4月の価格の方が安くなっている状況でした。
しかし、その前の過去チャートを見ると当てはまるものが多く、優位性のある説であると確認できています。
US30(ダウ指数)
続いては、アメリカの株価指数であるUS30を見ていきます。
こちらも、2021年の相場では10月末よりも4月末のほうが上昇している事が分かります。
当然前年は、新型コロナの世界的な感染拡大が影響して下落をしていた状況です。
しかし、2018年より前を遡って見ると、ほとんどの年でこの理論が当てはまっている事が分かりました。
10月末買い・4月末売りを提唱する著者は、過去データによる統計と発表していますが、確かに過去チャートを見る限りでは信憑性の高いデータであると言えるでしょう。
USD/JPY
前述した2点は株価指数で見てみました。
次は通貨ペアの動向を探ります。
検証するのは、世界でも取引量が多いとされるUSD/JPY(ドル円)です。
上のチャートは2015年からの10月と4月の動きを線で結んだものです。
チャートを見る限りでは、勝ちと負けが交互に繰り返しているように見えます。
通貨は株と違って政府介入のあるものであるため、ずっと上昇し続けるという事はないです。
どこかで、必ず下落トレンドも発生します。
しかし、2019年以降は2年間の間でしっかりこの理論が当てはまっているので、統計的には強いデータであると認識しても良いでしょう。
為替相場は近年、仮想通貨などの投資商品が参入した事により、ボラティリティが大きく低下しています。
そのため、決まったパターンで推移するという事は見込めない状況と言えるでしょう。
10月末買い・翌年4月末売りの説は優位性がある
検証の結果ですが、10月末買い・4月末売りの考え方は優位性がある説であると分かりました。
本記事では直近相場に絞って紹介をしましたが、古い相場で検証をしても当てはまるケースが多いです。
特に株式相場では理論通りに進んでいる事が多く、過去データから見て信憑性が高い説と言えるでしょう。
しかし、投資に絶対という考えはない事から、提唱した著者は「成功するか失敗するかは気にしていない」と述べています。
つまりは、あくまでもこの説は過去のパターンであり、当てはまらない場合は損切りが重要であるという事です。
株式市場や為替の相場は、コロナやリーマンショックといった、予期せぬ変動要因があります。
その際に欲を出さず、手法が合わなければ淡々と損切りをして次の取引に備える、または資金をショートさせない心がけが重要と言えるでしょう。