円安局面は終了!?【7月22日週刊レポート】

7月3週目の為替相場を振り返ります。

チャート上には、複合型移動平均線のGMMAを表示させています。

USD/JPYの振り返り

USD/JPY1時間足です。

前の週には介入観測などもあり、一気に高値圏からの下落を決めていました。

今回の相場を見ると、週の前半〜17日までは157.2円〜158.8円台でレンジ気味に推移していました。

相場が大きく動いたのが、7月17日のことです。

円買いが加速しており、155.3円台まで急落していることが分かります。

円買いには以下のような要因が影響していると言えるでしょう。

  • トランプ前大統領が円安・ドル高を懸念する発言
  • 河野デジタル相が日銀の利上げの可能性について言及
  • FRB高官が利下げの可能性について言及
  • 日銀の為替介入への警戒感

再選を目指すトランプ前大統領、FRB高官、河野大臣といった要人発言が、全て円高に向かう材料となった形です。

また、前の週に介入の観測があったことで、市場には警戒感が強まっており、結果としてUSD/JPY相場を下落させる結果になりました。

しかし、下落は一時的なもので、週の後半にかけては、過度な円買いに調整が入り、157.4円台まで回復しています。

今週のポイント(テクニカル)

USD/JPYの今週のポイントをテクニカル面で見ていきます。

以下は、USD/JPY30分足の様子です。

矢印部分を見ても分かるように、下落→レンジ→下落の順に規則正しい下降トレンドを形成している状態です。

今週注目すべきは、赤い〇の部分である157.8円台の価格でしょう。

157.8円台の価格は、前回のレンジ形成時に強く意識されていた価格帯です。

指値も充分に入っていると考えられますが、仮に反発をしてくれば、再度下降トレンドの形成が見込めます。

現在のレンジから徐々に下落してくれば、次の下値目途は155.3円台になると見ています。

現在価格でレンジを組む可能性もありますが、今週も下落の力が強くライン挑戦が続くようであれば、今週〜来週にかけての下降トレンド継続が見込まれるでしょう。

今週のポイント(ファンダメンタルズ)

今週のUSD/JPY相場で注意すべきファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。

  • 米大統領選に関する報道
  • カナダの政策金利で利下げが実施される可能性
  • 米GDP速報値の結果

今週のUSD/JPY相場は、どちらかというと米ドル起点で動く要素が多いです。

トランプ前大統領の優勢が報じられるようであれば、さらに円高・ドル安水準に繋がる可能性もあるでしょう。

さらに、アメリカと密接な関係にあるカナダでは、24日の政策金利でついに利下げに転じる可能性が出てきています。

米ドルは売り材料の方が徐々に増えている状況です。

EUR/JPYの振り返り

EUR/JPY1時間足の様子です。

チャートを見ても分かるように、ほとんどUSD/JPYと似た動きを見せており、ユーロ単体での動きは目立たなかったと言えるでしょう。

週の前半はレンジを形成し、17日には複合的な要因での円買いが加速しました。

一時的ではありますが、169円台まで大きく下落しており、ユーロ安円高の水準になっています。

7月18日には、ECBの政策金利が強く意識されていました。

決定した政策金利の内容は以下の通りです。

  • 主要金利は4.25%に据え置き
  • 物価の上昇圧力は強いとして、追加利下げには慎重な姿勢を見せる

6月会合では、4年9か月ぶりの利下げを決めたECBでしたが、今回は物価上昇圧力を懸念して据え置きとなっています。

これらの内容は、市場予想の通りであったとされていることから、サプライズ感はなくユーロの売買に大きな影響を与えていません。

今週のポイント(テクニカル)

今週のEUR/JPYのポイントをテクニカル面で見ていきます。

EUR/JPY30分足です。

直近では円での変動が大きく影響しているので、大まかな形はUSD/JPYとほぼ同じです。

下落→レンジ→下落の流れで形成されています。

直近安値と直近高値を結ぶと、徐々に平均値が低下していることが分かります。

強い円買いの後は目立った動きがなかったため、ブレイクの前兆にもなり得るでしょう。

トレンドライン上では、171円あたりの価格が強く意識される可能性があり、下抜けすれば安値への挑戦もあり得ます。

月末が近いので極端な変動には期待もできませんが、仮に直近安値である169.9円を下回るようであれば、下降トレンドの継続も期待できます。

今週のポイント(ファンダメンタルズ)

今週のEUR/JPY相場で注意すべきファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。

  • 7月31日の日銀政策金融決定会合に関する情報
  • ECBの追加利下げ方針に関する報道
  • 米指標や大統領選での円買い要因

日銀の政策金融決定会合が近づいていることもあり、円での動きに注目が集まります。

利上げの可能性があるとされれば、再度円買いが加速して169円台を更新する可能性もあるでしょう。

EU関連の目立った指標はないですが、引き続きECBの方針に関する報道にも注目です。

また、アメリカ側が円安を懸念している状態であることから、米ドルの売りに繋がる要因があれば、相対的な円買いが発生する可能性もあります。

EUR/USDの振り返り

EUR/USD1時間足です。

週の前半には、売買こそ活発ではありましたが、目立ったトレンドは出ませんでした。

一時的な上昇・下落こそ見せますが、すぐに反発をしてレンジを形成しています。

クロス円相場と同様に、こちらも7月17日に大きな動きを見せます。

円が買われたタイミングと同じ時にドル売りも加速し、直近高値を更新しました。

  • トランプ前大統領の円安・ドル高懸念の発言
  • 円の買いによる相対的なドル売り

週を通して円とドルが相対的な動きを見せていたことから、ドルの売りが強くなった形です。

しかし、週末にかけては調整が入りドルの買いが見られ、結果上昇前の水準まで価格を戻しました。

ECB政策金利などの影響も考えられましたが、ユーロでは目立った変動が見られていません。

今週のポイント(テクニカル)

EUR/USDの今週のポイントをテクニカル面で見ていきます。

以下は、EUR/USD30分足の様子です。

30分足を見ても分かるように、EUR/USDは上昇トレンド過程にあります。

一時的な下落はありつつも、直近の高値は更新し続けてきました。

しかし、今回の下落幅は大きく、GMMAを見ても短期・長期束が交錯して転換気味に推移していると言えるでしょう。

今後重要となるのが、赤い〇のポイントである1.0875ドルの価格です。

もしも、ライン上で反発すれば上昇トレンドが継続し、再度高値への挑戦が期待できます。

しかし、下抜けしてくれば、1.0875ドルが高値として機能し、レンジ、または下落してもおかしくないでしょう。

ライン上での動きに注目して、今後の動向を予測する必要がありそうです。

今週のポイント(ファンダメンタルズ)

今週のEUR/USD相場で注意すべきファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。

  • 円の動向による、相対的な米ドルの動き
  • 米大統領選の続報について
  • 米GDP発表後の動き

米大統領選では、現職のバイデン大統領の撤退論が出ています。

後任候補等に注目が集まりますが、どんな形であれトランプ氏の当選が有力との見方になれば、再度ドルの売りが強まってもおかしくありません。

投資家心理に大きく影響を与えるでしょう。

ECB関連のニュースも重要ではありますが、市場の注目はアメリカに偏っているため、米ドル関連の情報収集が重要です。

まとめ

  • USD/JPY→現在のレンジから徐々に下落してくれば、次の下値目途は155.3円台になると予想。大統領選の情報だけではなく、カナダの政策金利も影響を与える可能性。
  • EUR/PY→171円あたりの価格が強く意識される可能性があり、下抜けすれば安値への挑戦もあり得る。日銀会合やECBの方針に関する情報が重要。
  • EUR/USD→1.0875ドルの価格帯を上抜けするか下抜けするかで方向性が明確になる。ECB関連ニュースよりも、大統領選や米GDPなどの米ドル関連指標が影響を与える。

市場は米大統領選の行方に注目が集まっています。

主要通貨である、米ドル、日本円、ユーロの動向にも今後強い影響を与えそうです。

明確な時間が決まっている経済指標とは違い、突発的な変動を見せるケースも増えてきました。引き続き慎重な取引を心がけてください。

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