8月2週目の為替相場を振り返ります。
チャート上には、複合型移動平均線のGMMAを表示しています。
USD/JPYの振り返り
USD/JPY1時間足の様子です。
週始めからいきなり大きな下落を見せます。
前の週は146円台で終値を迎えていましたが、8月5日の段階で141円台まで価格を落としました。
下落の要因は以下の通りです。
- 週末に決済しそびれた投資家の売買が加速
- 前週の雇用統計の結果を受けたドル売り・円買い
8月2日には雇用統計がありましたが、その影響が強く出たと言えるでしょう。
同時に日経平均の大暴落も大きなニュースになりましたが、翌日の8月6日にはすぐ回復を見せます。
8月6日には、日銀副総裁が経済が不安定ではない状況での利上げを行わないと名言したため、すぐに円売りへと転換しました。
上昇の流れは週の半ばでも続きますが、特に重要な指標もなかった影響から、週後半は145〜147円台でレンジを形成しています。
今週のポイント(テクニカル)
USD/JPY相場をテクニカル面で見ていきます。
USD/JPY30分足の様子です。
USD/JPY相場は、直近の足で見ると高値を切り上げている状態であることが分かります。
前の週に目立った指標がなかったことで、目立った値幅をつけているわけではありません。
現在は安値切り上げですが、ラインが効かなくなり下落に転じる可能性があるでしょう。
下落するとすれば、144.1円あたりの価格を更新して、再度141円後半の価格まで挑戦できるかが重要です。
また、上昇する場合では2本の意識される価格帯が重要になります。
1つ目は直近のレンジ内高値である147.9円台、2つ目は148.9円台です。
この2カ所を超えて来ない限りは、下目線の相場が続くと見ています。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のUSD/JPYの動向は、以下のようなファンダメンタルズ要因も重要になりそうです。
- 米消費者物価指数の動向
- 日本の四半期国内総生産
- FRB・日銀の金利政策に関する発言や動向
今週最も注目されるのは、8月14日に発表される米消費者物価指数です。
消費者物価指数で米インフレ率の改善が見られれば、9月の早期利下げ観測から米ドルが下落する可能性があります。
また、日本のGDP発表で動く可能性がある円の動向にも注目です。
直近では、FRB・日銀の関係者による発言で相場が敏感に反応しているので、警戒して取引を進めましょう。
EUR/JPYの振り返り
EUR/JPY1時間足の様子です。
USD/JPYとほぼ同等の動きになっています。
相場の大まかな流れは以下の通りです。
- 週始めに円買いが加速し、154円台まで大幅下落
- 日銀副総裁の発言を受けて159~160円台まで上昇
- 週末まで目立った売買材料がなくレンジ気味に推移
週始めの下落はEUR/JPYでも発生していますが、雇用統計の影響は円買いの材料になったと考えて良いでしょう。
また、日銀副総裁の発言も同様で、154円台まで下げた価格も一気に160円台まで上昇します。
週末にかけては目立った売買材料がなかったということもあり、159円台後半〜161円台でレンジを形成しています。
今週のポイント(テクニカル)
EUR/JPY相場をテクニカル面で分析します。
EUR/JPY30分足の動向です。
こちらも、大きく下落したのちに安値を切り上げている相場が形成されています。
ただし、上値で数回押し戻されているため、今後は安値切り上がりのトレンドラインをどこで割ってくるかが重要となるでしょう。
トレンドラインが機能しなくなった時点で下落に転じると見ています。
下落した場合、まずは158円後半の価格を下抜けできるかが重要です。
その後、157.3円、154.3円の安値更新が見られて、始めて下降トレンドの継続と言えるでしょう。
円が基軸となっているので、先週のような円買いの流れになれば、直近高値を超えて上昇する可能性も充分あるでしょう。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
EUR/JPYは、以下のようなファンダメンタルズの要因が重要になってきそうです。
- 日銀関係者の利上げ動向に関する発言
- EU四半期総生産発表による経済動向
- ECB関係者の発言や動向示唆
今週のEUR/JPYでは、目立った重要指標がないです。
唯一、EUのGDP発表が重視されると考えて良いでしょう。
しかし、直近相場では円基軸での変動が大きくなっているため、今週も円次第の可能性は大いにあります。
互いに異なる金融政策を進めているため、日銀関係者やECB関係者の発言にも注意が必要です。
EUR/USDの振り返り
EUR/USD1時間足の様子です。
EUR/USDは、以下のような流れで推移しました。
- 週初めに雇用統計の影響が出て米ドル買いによる上昇
- 高騰後は米ドルがすぐに売られたことで下落
- 8月8日に一時的な下落を見せるも、売買は少なく高値圏で推移
まず、週の始めには米ドル売りが先週の流れを引き継いだことで大きく上昇しました。
前回の高値を早々に更新しています。
しかし、高騰後はすぐに決済が入った影響からか、高値を付けて反発しました。
8月8日のニューヨークオープンで一時的なドル買いはあったものの、結果高値圏でレンジを形成しています。
今週のポイント(テクニカル)
今週のEUR/USDをテクニカル面で分析していきます。
以下は、EUR/USD30分足の様子です。
EUR/USDは現在、高値から反発してレンジを形成している状態です。
明確な方向性を予測するのは難しいと言えるでしょう。
仮に上昇してくるとすれば、1.09455あたりの価格帯を明確に更新できるかが重要となってきます。
米ドル売りの影響ですぐに上昇する場合であれば、反発後の安値ラインとして機能するかが重要となるでしょう。
米ドルは買い材料もあり、下落する可能性も充分あります。
1.0881あたりの直近安値を更新できるかが重要になってくるでしょう。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
EUR/USDのファンダメンタルズ要因は以下の通りです。
- 米消費者物価指数の動向
- EU四半期国内総生産
- 中東情勢に関するニュース
今週は米消費者物価指数が強く意識される相場です。
金利の動向に直結するため、インフレ率が改善されているか否かに注目しましょう。
また、EU四半期総生産に加え、懸念が続く中東情勢の悪化にも注意が必要です。
リスクオフ・リスクオンの流れが顕著に現れる通貨ペアなので、突発的な変動に警戒しましょう。
まとめ
- USD/JPY→下落継続の場合は、144.1円あたりの価格を更新して、再度141円後半の価格まで挑戦できるかが重要。米消費者物価指数の影響に注目。
- EUR/JPY→157.3円、154.3円の安値更新が見られて、始めて下降トレンドの継続になり得る。円基軸での動きが重要。
- EUR/USD→明確な方向性が決まっていない相場。直近高値と安値のどちらを先に更新できるかが重要。
徐々に値動きは落ち着いていますが、過去の相場に比べると変動幅は大きいです。
中東情勢悪化や米指標の影響で急騰・急落もあり得るので引き続き警戒しましょう。