私は投資以外にも会社経営も参画しています。
Fxも会社経営も非常に似ているところがありますね。
また近年は、個人でも起業する敷居が低くなり、
会社をつくって経営をする人が多くなってきました。
ただ、実際のところ多くの会社は経営がうまくいっていません。
他社との営業・販売競争に敗れてしまうのです。
そんな状況を打破するために利用されるのが「ランチェスター戦略」と呼ばれる戦略です。
今回はこの「ランチェスター戦略」について、
概要と実際の投資でどのように活かしていくのか、解説していきます。
ランチェスター戦略とは
ランチェスター戦略とは、もともと第一次世界大戦中に考案された戦闘の法則です。
提唱者の名前が「ランチェスター」という名前だったことから、この名称がつけられました。
このランチェスター戦略で提唱された戦闘時の作戦研究が、
戦後の数学的・統計学的な意思決定の方法に導入されていきます。
そして、ランチェスター戦略はビジネスの世界にも取り入れられるようになり、
販売・営業・マーケティングで利用されていきます。
ランチェスター戦略の基本法則
ランチェスター戦略の基本法則は、
「第一法則」と「第二法則」に集約されています。
第一法則は、一対一の戦い、狭い範囲での戦いなどで適用される法則で、
「戦闘力=武器効率×兵力数」
で定義されます。
どちらかの数字が高ければ、それに応じて戦闘力が高くなるという考えです。
ビジネスでは、「武器効率=自社の商品・サービス」「兵力数=社員数」と見なして考えられることが多いです。
魅力的な商品・サービスがあれば少人数の会社でも競争に勝っていけますし、社員数が多い会社であれば、マンパワーを使った営業網を広げられます。
第二法則では、一対一の戦いではなく、近代兵器などを駆使した遠距離・広範囲の戦いを想定します。
この場合、戦闘力の定義は
「戦闘力=武器効率×兵力数の2乗」
となります。
近代兵器を利用する場合、1人あたりの兵力が格段に上がります。
したがって、近代的な戦いでは兵力数が物を言う戦いになるのです。
これをビジネスに置き換えると、
全国にチェーン展開するスーパーや家電量販店などが、
圧倒的な物量・販売網で他の小さな個人店を売上で圧倒する例などが挙げられますね。
ランチェスターを投資で生かす
ランチェスター戦略は、企業経営で利用されることが多いですが、
実は「投資」でも活用することができます。
たとえば、第一法則は中小機企業向けの戦略で、一対一の狭い競争で利用される法則ですが、
これを投資家に置き換えると、
「資産が少ない投資家は、資産を特定の銘柄に集中させて(一対一の戦いに持ち込んで)、他の投資家に差をつける」
戦略が有効ということになります。
資産が100万円あるとしたら、それを10個の銘柄に10万円ずつ振るのではなく、
1個の銘柄に一点集中させた方が儲けやすいということですね。
反対に、潤沢な投資資金を保有している場合は、
ランチェスター戦略の第二法則で大企業が圧倒的な物量・人的資源を投下するのと同じように、
「様々な銘柄に、他の投資家が追い付けないほどの金額を分散投資して、金額的に圧倒的な差を付ける」
戦略を取るのが有効です。
多くの銘柄に、資金を大量投下できれば、仮に1つの銘柄で損失を出しても、他の銘柄でカバーすることができます。
まずはランチェスターの第一法則を利用するのがおすすめ
投資初心者の方の場合、最初は1つの銘柄に資金を集中させる「第一法則」を利用することをおすすめします。
複数銘柄に投資する場合、各銘柄の関係性などを踏まえて組み合わせを考えなければいけないので、ある程度の知識と経験が必要になります。
また、銘柄が多くなると、調べる情報量も多くなり、時間的な負担も重くなります。
1つの銘柄への投資であれば、確認する情報量も抑えられるので、
じっくりと吟味して銘柄を選ぶことができます。
また、基本的に1つの株価を追っていくことになるので、株価がどのように推移していくのか、流れを把握しやすいです。
最初は、自身の余裕資金を使って、1つの銘柄に集中投資していきましょう。