ボリンジャーバンドは多くのトレーダーが相場分析に用いています。
特殊な計算方法を使っていることから相場の環境認識として有効なインディケータです。
しかし中には間違った使い方をしている方が多いのも現状です。
このページではそんなボリンジャーバンドの概要と正しい使い方について詳しく解説していきます。
ぜひ最後まで読んでいってください。
ボリンジャーバンドとは?!
ボリンジャーバンドとは1980年にジョン・ボリンジャー氏によって提唱されたテクニカル指標です。
MT4チャートでは
「挿入」→「インディゲータ」→「トレンド」→「Bollinger Bands」の順に
クリックするとメインチャートに表示されます。
このチャートでは黄色く表示させた3本の線がボリンジャーバンドです。
この線の動きや形を見て相場の環境認識を行います。
標準偏差を盛り込んだ移動平均線
ボリンジャーバンドは標準偏差を盛り込んだ移動平均線です。
標準偏差とは高校や大学の学力を表す「偏差値」のようなものであると思ってください。
偏差値は平均値の50から離れれば離れるほど学力に差があるという事になりますね。
ボリンジャーバンドの線にはこの偏差が盛り込まれています。
平均値からどれだけ価格がバラついているかを示してくれるインディケータです。
データの散らばり具合を統計学で用いられるσ(シグマ)を用いて表されます。
価格が同じような値を推移するとボリンジャーバンドの範囲は狭く、価格がばらつくとボリンジャーバンドの範囲が広くなります。
シグマ内にどれだけの確率で価格が収まるかをボリンジャーバンドでは示してくれるのです。
シグマの設定はボリンジャーバンドを表示させるまでの設定画面で変えられます。
期間20→2σ
期間30→3σ
3σではほとんどバンド内に価格が収まるので環境認識として使うには分析が難しくなります。
おすすめ設定は2σ(期間20)か2.5σ(期間25)です。
順張り用に作られたインディゲータ
「価格が3σ内に収まる確率が99.7%なら3σのバンドにタッチしたら逆張りで使えそう!」と考える方が多いですが実はそうでもありません。
ボリンジャーバンドはもともと順張り用に作られたインディケータです。
上のチャート画像をご覧ください。
赤い〇で囲んだポイントはボリンジャーバンドに複数のローソク足がタッチしながら下落している事が分かりますね。
このようにトレンド方向に向かってボリンジャーバンドにタッチする現象を「バンドウォーク」と呼びます。
このような状況で逆張りをしても、トレンドの強さに負けて損失を出してしまいます。
トレンド方向に逆らうエントリーをするというよりは、バンドウォークの出現を確認出来たら強いトレンドの前兆であるという認識を持ちましょう。
トレンド方向に逆らわない順張りのエントリーが必須となります。
ボリンジャーバンドの使い方
次にボリンジャーバンドの使い方を紹介します。
前述したように順張りで使うというほかで、環境認識として使う方法が有ります。
トレンドの強弱が分かるので値幅が抜けるか抜けないかをボリンジャーバンドを見るだけで視覚的に判断することが可能です。
ボリンジャーバンドの形に注目する
ボリンジャーバンドが平行ではなく上下に大きく開くとトレンドの前兆となります。
上のチャート画像のようにボリンジャーバンドが平行な状態から上下に開いた状態です。
これは長い時間足であればあるほど有効な分析方法になります。
デイトレードであれば1時間足や30分足などが有効ですね。
週単位でのスイングトレードであれば4時間足や日足で見ることがおすすめです。
時間足が短ければ短くなるほどだましが増えると覚えておきましょう。
上下開くことで平均価格がばらついていることとなり、強いトレンドが発生しやすくなるのです。前述したバンドウォークが確認できたら、トレンド方向に沿った順張りをするとトレンド初動の波に乗りやすくなります。
値幅の抜けるトレンドと抜けないトレンド
値幅の抜けないトレンドとは反発が早いトレンドを指します。
ボリンジャーバンドでは反発の早いトレンドと遅いトレンドを見分ける方法が相場の環境認識として有効です。
トレンド①とトレンド②ではどちらが値幅が抜けやすいトレンドか分かりますか。
正解はトレンド①です。
トレンド①では上昇過程で目立った反発をあまりしていません。
それに比べてトレンド②はボリンジャーバンドのセンターライン(中央の線)に何度もぶつかりながら上昇しているのが分かります。
上下のバンドを見てもトレンド①に比べて若干ギザギザしていますね。
小さく反発を繰り返しながらトレンドを形成すると、売りと買いの制力が均衡しながらトレンドを作っている事になります。
投資家の心理として「このトレンドはそこまで伸びない」という心理が生まれるため、投資家たちが早めの決済を行い反発も早くなるのです。
トレンド①ではトレンド方向への注文が多く入ります。
それにより投資家は長くポジションを持ちたいと考えるので値幅の抜けるトレンドとなります。
センターラインでの反発と上下のバンドがギザギザしていることが確認できたら、それほど強いトレンドではないと判断できるので早めに決済することがおすすめです。
まとめ
ボリンジャーバンドの発案者であるジョン・ボリンジャー氏ですが実は投資に失敗して破産しています。
そのためボリンジャーバンドは有効性がないと考える方が多くいるのも事実です。
しかし、相場の環境認識やトレンドの強弱を見るには有効性が高いと断言できます。
ボリンジャーバンドを使って自身のトレードに役立ててみてください。