こんにちは、ビジョナリーインベスターズのFXロボです。
11月14日にビットコインのアップデートが完了しました。
2017年以来のアップデートという事もあり、プライバシー強化や拡張性の改善が期待されています。
本記事では、今回のアップデートであるTaprootの概要や、具体的に何が変わったのかを詳しく解説していきます。
Taprootとは?!
Taproot(タップルート)とは、2021年11月14日に完了したビットコインの大幅アップデートです。
ビットコインでは、今から4年ほど前の2017年にSegwit(セグウィット)というアップデートを行いましたが、Taprootはそれ以来のアップデートという事で注目度が高まっていました。
まずは、Taprootがどのような目的を持ったアップデートであるかを見ていきましょう。
プライバシーの向上
ビットコインはこれまで、ECDSAという署名方法を採用していました。
ビットコインの送金時には、受信者の公開鍵と、特定条件を持つスクリプトといった2つのアドレスがあります。
ECDSA署名は、これらの2つのアドレスタイプが異なるので誰でも判別が可能であり、セキュリティ面で問題を抱えていたのです。
それに対して、今回のTaprootのアップデートではシュノア署名を導入しました。
シュノア署名では、公開鍵の署名と、任意のスクリプトの署名を同じ形の署名にできます。
また、複数の署名を一つにまとめる事も可能です。
複数署名のECDSA違って、取引情報が隠れる事からプライバシーの向上が見込めるようになりました。
シュノア署名は従来の形式と違い、Taprootのアドレス=公開鍵+コントラクトとまとめられている性質から、プライバシー機能の向上だけでなく、送金データサイズの大幅削減にも繋がると言われています。
スマートコントラクト機能の拡張
今回のアップグレードは、プライバシー保護の向上だけでなく、スマートコントラクトの拡張機能にも繋がります。
前述したシュノア署名で送金データサイズを削減できる点もそうですが、特にMASTという機能が効率化を果たしているのです。
MASTとはMerklized Abstract Syntax Treeの頭文字を取った言葉で、複雑な条件分岐となっていたトランザクションデータ(取引データ)を小さくするテクノロジーです。
- AさんがBさんに1BTCを送金
- Bさんが1BTCを受け取らなければ、Cさんが1BTCを受け取る
上記例のように、AさんがBさんに送金する以外にも条件がある場合を、条件分岐のあるトランザクションと表現します。
条件分岐は複雑になればなるほど、トランザクションのデータサイズが大きくなるので、その分取引手数料も高騰してしまいます。
MASTは条件のスクリプトをハッシュ化※して、その条件に関連する人物だけに内容が公開される仕組みです。
その結果、トランザクションデータのサイズを小さくなり簡略化され、匿名性の高いプライバシー保護の役割も担っています。
※ハッシュ化…ある特定の文字列や数字の羅列を一定のルール(ハッシュ関数)に基づいた計算手順によって別の値(ハッシュ値)に置換させること
Taprootによる今後のビットコイン価格の行方
11月14日にTaprootが完了して話題となりましたが、市場の反応はいまいちでした。
多くの専門家はその要因を以下のように解説しています。
- アップデートが事前に予想されており、すでに投資家はビットコインを保有していたから
- 4年前のアップデートよりも話題性がない
実際にそれほど大きな価格変動が起きたわけではなく、普段よりも平均値の低い相場で推移しています。
多くの専門家が予想していた通り、直近の相場では話題性に欠けたと考えていいでしょう。
2017年のアップデートでは、市場が大盛り上がりをして+50%ほどの上昇幅を記録しましたが、今回はまだアップデートされたばかりなので、今後の動きは読めない状態です。
一部では、今回のTaprootをきっかけに長期的な上昇があり得ると考える方もいます。
懸念となっていたプライバシー保護の問題や、スマートコントラクトの拡張が改善された事は、直近市場の反応こそ薄くても大きなニュースと言えるでしょう。
アップデート完了後の反応は冷ややかでしたが、投資家心理が影響して今後上昇のきっかけとなる可能性は充分に考えられます。