3月3週目の為替相場を振り返ります。
チャート上には、複合型移動平均線のGMMAを表示させています。
USD/JPY
USD/JPY1時間足です。
前週までは、ドル売りと円買いの影響で強い下落相場になっていました。
しかし、今回の相場を見ると、徐々に上昇方向へ転換していることが分かります。
1つ目の要因は、ドル売りの一服です。
前の週に米ドルが強く売られましたが、調整が入り買いに転換した形とも言えるでしょう。
次の要因として、アメリカでの利下げが早期ではなく、徐々に進んでいくと考えられたことがあげられます。
米消費者物価指数も発表されましたが、インフレ率は思ったほど改善しておらず、早期の利下げはないと判断されたことで、ドルの買いが進んだ形です。
一時は146円台で推移していましたが、再度上昇し149円台で終値を迎えています。
今週のポイント
今週のドル円相場は、19日の日銀政策金融決定会合での動向が重視されます。
日銀では火曜の会合でマイナス金利の解除をする方針が打ち出されているのです。
これまで低金利政策を続けて来たため、方針転換となり市場が反応する可能性が高いでしょう。
ただし、マイナス金利の解除が確実視されていることから、会合後に相場のサプライズ感がない点に関しては懸念事項とも言えます。
シナリオ通りに進めば下落の可能性があると言えますが、市場の反応次第とも言えるでしょう。
火曜日の動きを見たうえで狙っていった方がよさそうです。
EUR/JPY
EUR/JPY1時間足です。
EUR/JPYもドル円相場と似たような動きになっていることが分かりますね。
このことから、円での買いも見られていたと考えて良いでしょう。
円も前週に大きく買いが進行していたため、今回は調整相場を迎える形となりました。
また週後半からはユーロの買いも徐々に進んだため、安値圏から上昇する形になったと言えるでしょう。
2月後半の安値付近である162円台で終値を迎えています。
今週のポイント
今週のEUR/JPY相場も、火曜の日銀会合次第と言えます。
会合の内容だけではなく、植田総裁の会見などの内容も重要になってくるでしょう。
週を通してクロス円での大きな変動が見られそうです。
指標後の相場変動に委ねられており、テクニカル面での分析は難しいでしょう。
こちらも、通常であれば円買いのシナリオではありますが、サプライズ感のなさから、市場の反応が冷ややかである可能性も充分あります。
EUR/USD
EUR/USD1時間足です。
EUR/USDは、週初めに目立った動きがなく推移していました。
米ドルとユーロの売買が均衡していたと言えるでしょう。
週の真ん中あたりになると、徐々に動きが活発になりだします。
一度は大きく上昇し、直近高値への挑戦を見せますが、米ドル売りの加速により一気に下落方向へ転じてきました。
しかし、ユーロの買いも見られたことから、極端な下落には至っていません。
3月7日につけた上昇過程の押し目である1.087あたりの価格帯が強く意識されています。
今週のポイント
今週はEUR/USDでも日銀会合の影響が出てもおかしくないです。
直近相場では、円と米ドルの連動が強く見られている相場が続いています。
円買い時には米ドル売り、円売り時には米ドルの買いが強くなっている状況です。
そのため、現時点での目線では判断できない状態と言えるでしょう。
長期的には3月20日にはFOMCも予定されているので、テクニカルではなくファンダ要素を加味したうえでの取引が重要です。
まとめ
USD/JPY→円買いで下落のシナリオではあるが、サプライズ感のなさから、市場の反応が冷ややかである可能性
EUR/JPY→USD/JPY同様に目線の判断が難しい相場
EUR/USD→日銀会合とFOMCでの米ドル反応に委ねられる
今週は、日銀会合とFOMCにより大きな変動が予想されます。
市場の反応や投資家の考え次第とも言えるので、今後の相場方向は分析が難しいです。
今週はいつも以上に慎重な取引が重要と言えるでしょう。