10月28日〜11月1日までの為替相場を振り返ります。
今週の見通しも含めてチェックしていきましょう。
USD/JPYの振り返り
USD/JPY30分足のチャートです。
以下のような流れで相場が変動しました。
- 衆院選の影響で週明けすぐに円売りが進む
- 10月28日の米国時間にかけて窓埋め
- 週半ば→日銀総裁会見や政策金利の前で高値圏でのレンジ形成
- 10月31日→政策金利は据え置きも12月会合での利上げ観測から円買い進む
- 11月1日→雇用統計で市場予想を下回り大幅下落も終値にかけて回復
10月27日日曜には衆議院選があり、月曜の相場に大きな影響を与えました。
衆院選で与党自民党が過半数を取れなかったことで、政権運営への不透明感が増して円安が進んでいます。
大きな窓を付けて1円以上の上昇を見せました。
窓を付けた後も円安が進み153円後半まで円安が進みますが、米国時間にかけては窓埋めが見られました。
週半ばにかけては、週末の雇用統計や31日の日銀会合が意識され、大きな動きにはなっていません。
10月31日の日銀会合では据え置きとなりましたが、植田総裁は12月会合での利上げの可能性を示したこともあり、一気に円高が進んでいます。
先週金曜日の終値を下回る151円台後半まで円高になりました。
11月1日には雇用統計が発表されましたが、市場予想を大きく下回ったことで大幅な下落を見せています。
しかし、下落は一時的なものですぐに価格を戻し、152円後半で終値を迎えています。
今週のポイント(テクニカル)
今週のドル円相場をテクニカル面から分析します。
USD/JPY1時間足で見ていきます。
まず、赤い〇のポイントに注目してください。
先週の上昇相場では、高値で2回の反発を見せました。
153.8円あたりの価格帯ですが、大統領選の始まる今週は充分に高値へ挑戦する可能性があるでしょう。
次に挑戦すれば3回目の挑戦となるので、充分更新できそうです。
高値を一本のローソク足でブレイクするよりは、高値で持ち合いをしながら徐々にブレイクすると上昇トレンドの継続が見込めます。
また、下落する場合も想定しておいた方が良いです。
下落する場合にまず意識される価格帯は、前回の安値ラインである151.1円あたりになると考えています。
その後は150.3円台まで明確なラインがありませんが、ボラティリティ次第では充分下落する可能性もあるでしょう。
突発的な変動が発生しそうなので、取引をする際は充分注意してください。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のドル円相場で重要となるファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。
- 週全体→11月5日に行われる米大統領選の影響
- 11月6日→米PMIの指標結果
- 11月7日→FOMC及びパウエル議長の会見
今週はなんといっても米大統領選の影響が懸念されます。
ハリス現副大統領とトランプ前大統領の一騎打ちですが、イベント化された選挙はどの候補が勝ったとしても相場に大きな影響を与えるでしょう。
各FX会社でも選挙前後でスプレッドやロット数の制限を設ける可能性があります。各社の対応状況にも注意しながら取引を進めてみてください。
また、今週は経済指標にも警戒が必要です。6日にはPMI、7日にはFOMCと重要指標が多くなっています。
FOMCでは0.25%の利下げが見込まれていますが、パウエル議長が今後の利下げペースについて急ぐ発言をするようであれば、円高の加速が見込まれるでしょう。
週を通して大きな変動が予想されるので注意してください。
EUR/JPYの振り返り
EUR/JPYの振り返りを行います。
EUR/JPY30分足です。
以下のような流れで相場が変動しました。
- 週明けすぐ→衆院選の結果を受け窓を付けた上昇
- 週半ば→持ち合いでレンジ形成
- 10月30日→EUのGDP速報値で市場予想を上回りユーロ買い進む
- 10月31日→日銀据え置きも12月会合での追加利上げの可能性残し下落
- 週後半→週末にかけて円売りが進み上昇傾向
週明けすぐは、衆院選の結果を受けて上昇しました。
金曜の終値は164円ほどでしたが、月曜の午前中には一気に166円台までの大幅な上昇をみせています。
その後は目立った動きもなく、高値圏での停滞が続きます。
10月30日には、EUのGDP速報値が発表されましたが、市場予想を大きく上回ったことでユーロ買いが進みました。
166.6円台の円安水準となります。しかし、10月31日には日銀の会合で12月会合での追加利上げの可能性が示唆されたことから、一気に円が買われました。
週末にかけては再度円安が進み、165円後半の価格で終値を迎えています。
今週のポイント(テクニカル)
今週のEUR/JPY相場をテクニカル面から分析していきます。
EUR/JPY1時間足の様子です。
EUR/JPYは全体的に上昇相場になっています。上昇するとすれば、直近高値である166.6円台の価格が重要になってくるでしょう。
こちらもドル円と同様に一本のローソク足ではなく、小さなローソク足で徐々に上昇してくればチャンスです。更新後に更なる上昇が見込まれるでしょう。
ただし、懸念としては先週付けた窓の影響があります。
ドル円の場合は完全に窓を埋めたまま変動しましたが、EUR/JPYの場合はまだ窓を完全に埋めたとは言い切れません。
全体では上昇目線の相場ですが、窓を埋める一時的な下落も見られる可能性もあるでしょう。
また、こちらも大統領選等の突発的な変動により上昇目線から一気に転換する可能性も充分あり得ます。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のEUR/JPY相場に影響しそうなファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。
- 週全体→11月5日に行われる米大統領選の影響
- 11月6日→EU圏のPMI速報値
- 11月7日→イングランド中銀の政策金利の影響
今週は、EU圏での経済指標が少ないです。
6日のPMI、7日のイングランド中銀政策金利くらいが影響を与えると考えられます。
EU圏は先週のGDP発表で市場予想を上回ったことで、ユーロの堅調な動きになると見越しています。円基軸で動く可能性も高いので、相関をよくチェックしておきましょう。
また、EUR/JPYの方でも米大統領選の影響を強く受ける可能性が高いです。
特に円で大きく動きそうなので、急な変動で損失を出さないように注意してください。
EUR/USDの振り返り
最後にEUR/USDの1週間を振り返ります。
EUR/USD30分足の様子です。
以下のような流れで相場が変動しました。
- 週明けすぐ→始値からドル買いが進み大幅下落
- 週半ば→EU経済の好転でユーロ買い進み上昇トレンド形成
- 11月1日→雇用統計で市場予想を下回り一時的に上昇も、終値にかけて反発
週の始めは、すぐに米ドルの買いが進みました。
円での売りが進んだことでの反動とも捉えられます。
10月後半の安値ラインまで一気に下落を見せました。
しかし、下降トレンドを形成することはなく、週の半ば〜後半にかけては上昇トレンドが形成されました。
週の半ばにはEU圏のGDPが発表された影響で、EU経済の好転が意識されユーロの買いが強まっています。
雇用統計が意識された影響か、その間は米ドルの売買はあまり目立っていません。
11月1日には雇用統計が発表されました。市場予想を大きく下回ったため、一時的に米ドルの売りが強くなり上昇します。しかし、上昇は一時的なもので、終値にかけては反発しました。
今週のポイント(テクニカル)
今週のEUR/USD相場をテクニカル面で分析します。
EUR/USD1時間足の様子です。
全体的な相場を見ると、現在のEUR/USDは2024年9月後半から続く下降トレンドから徐々に転換している最中と言えます。
これまではユーロの売り圧力が強い相場でしたが、先週から徐々にユーロの買いが強まってきました。
まだ明確な転換とは言えませんが、今後上昇する可能性は充分にあると言えるでしょう。
もしも上昇するとすれば、雇用統計後に付けた高値の1.090ドル付近の価格帯が強く意識されると考えられます。
当然、大統領選の影響もありラインが意識されず上昇する可能性もあるので、あくまでも今週は目安として留めておきましょう。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
続いて、今週のEUR/USD相場に影響しそうなファンダメンタルズ的要因を解説します。
- 週全体→11月5日に行われる米大統領選の影響
- 11月6日→米・欧PMIの指標結果
- 11月7日→FOMC及びパウエル議長の会見
今週は米ドルを起点とした相場変動が予想されます。
週全体で大統領選を意識した変動が起きる可能性が高いので、取引の際には充分注意が必要です。
また、11月7日にはFOMCがあるので、金利の動向にも注目してください。
重要なイベントが重なっているため、売買が活発になるでしょう。
テクニカルでの分析が通用しにくくなる相場が予想されます。
まとめ
USD/JPY→週を通して高値圏での推移、3回目の高値挑戦で更なる上昇の可能性も
EUR/JPY→ユーロ買いが強く上昇傾向、窓埋めをしていない点は懸念
EUR/USD→EU経済の好転から上昇トレンド形成、1.090ドル付近が強く意識される可能性
前回バイデン氏が当選した米大統領選の際には、それほど大きな変動が見られませんでした。しかし、その前のトランプ氏が当選した際には、かなり大きい変動が見られています。
今回の大統領選も多くの投資家が注目しており、売買の起点になりそうです。
均衡する場合は投資家が様子見に入り、流動性が低下する可能性もあります。
いつも以上に警戒して取引に臨んでください。