11月18日〜22日までの為替相場を振り返ります。
価格変動の要因や、今後の見通しまで詳しく見ていきましょう。
USD/JPYの振り返り
まずは、USD/JPYの相場を振り返ります。
以下は、USD/JPY30分足の様子です。
USD/JPY相場は、以下のような要因で変動を見せました。
- 週明けすぐ→円売りが進み週明けから上昇傾向に
- 11月19日→日米金利差の縮小が意識され153円前半まで下落
- 週半ば→米長期金利上昇によるドル買いも、日銀利下げ試算からすぐに下落
- 週後半→目立った動きなし
週明けすぐのドル円相場は、円売りが強くなり上昇しました。
11月15日時点では154円台で終値を迎えていましたが、週明けはすぐ155円台まで上昇します。
11月19日に入ると、日銀の12月会合で追加利上げの可能性が高まり、一気に円が売られます。11月19日時点では再度153円台まで下落し、直近の安値を更新しました。
しかし、下落の力は弱くすぐに上昇し、米長期金利の上昇に伴うドル買いが加速しました。
その後はすぐに円が買われた影響で下落した相場です。
週を通して、上昇と下落を繰り返す相場が形成されています。
今週のポイント(テクニカル)
今週のUSD/JPY相場をテクニカル面から分析します。
今週のUSD/JPY相場では、1時間足を軸に見ていきます。
1時間足で見ると、現在上昇トレンドから一服している状態とも言えるでしょう。
まだ短期的な相場の方向性は定まっていない状況です。
今週は、154円〜156円台の範囲でどのような動きを見せるかが重要になってきます。
まず注目すべきは、155.8円台の価格です。
11月20日に付けた高値であり、この価格を明確に更新しないと再度高値挑戦の可能性が薄くなります。
次に注目すべきは、153.9〜154.0円の安値です。
〇のポイントを見ても分かるように、2回程度反発しており意識される価格帯になっています。
この価格を下回ってくれば再度下落に転じる可能性が高いですが、その場合は153.28円台にもラインがあるので、まだ明確な下降トレンドになるとは判断できません。
月末相場で流動性が低下する可能性もあるので注意してください。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のUSD/JPY相場で影響しそうなファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。
- 11月26日→米住宅新築販売件数
- 11月26日→米FOMC議事要旨
- 11月27日→米個人消費支出
- 週全体→日銀の追加利上げに関する情報
先週は大きな指標こそありませんでしたが、今週は比較的多めです。
まず、11月26日の新築販売件数とFOMC議事要旨で米ドルに動きが出ると考えられます。
また、27日に個人消費支出の指標があり、週末にかけては指標が少なくなります。
週前半で米ドルに動きがあり、週末は月末ということで停滞する可能性が高まるでしょう。
ただし、週全体を通して日銀の追加利上げに関する情報には注意してください。
日本円で先行買い・先行売りが出るかもしれません。
EUR/JPYの振り返り
続いて、EUR/JPYの1週間を振り返ります。
以下は、EUR/JPY30分足の様子です。
EUR/JPYは、以下のような要因で変動を見せました。
- 週始め→円売りが強く一時的に上昇
- 11月19日前半→日銀の追加利上げ意識から円買い進む
- 週半ば→ユーロ買いと円買い一服で大幅上昇
- 週後半→地政学リスクやPMIの影響によるユーロ売り加速
週の始めは、円売りが強くなり一時的な上昇を見せました。
しかし11月19日になると、12月の日銀会合での追加の可能性が意識され、一気に円買いが進みます。直近安値の更新となりました。
週半ばになると、円買いが一服しており、ユーロの買いも強まったことで一気に上昇します。
161円から164円台までの大幅な上昇となりました。
週後半になると、ロシアとウクライナ情勢の再悪化が影響し、地政学リスクからユーロの売りが強くなります。
また、金曜は欧州PMIが悪化し、再度ユーロが売られたまま終値を迎えました。
今週のポイント(テクニカル)
今週のEUR/JPY相場をテクニカル面から分析していきます。
以下は、EUR/JPYの4時間足の様子です。
EUR/JPYは、4時間足で見ると上昇トレンドから転換していることが分かります。
トレンドラインに沿って下落をしている状況です。
このまま反発すれば、上昇過程での押し目となりますが、現在価格が強く意識されるラインであるため、下抜けすれば再度下降方向に推移すると見ていいでしょう。
ユーロの売りが強まっているので、今週中に更新する可能性も大いにあります。
また、もし下落した場合は、次の安値目途が158円台となります。
月末なので今週中に挑戦することはなくても、変動が激しい相場であるので、警戒はしておきましょう。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のEUR/JPY相場に影響しそうな、ファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。
- 11月29日→EU消費者物価指数速報値
- 週全体→ロシア・ウクライナ情勢の悪化懸念
- 週全体→日銀の追加利上げに関する情報
月末ということで、あまり大きな指標はありません。
11月29日のEU消費者物価指数が影響すると考えられますが、金曜の指標なので週前半は停滞しそうです。
ただし、先週はロシアとウクライナ情勢の悪化から地政学リスクで変動しているので、その点には警戒してください。
今週も引き続き懸念は続くので、最新情報をチェックしておきましょう。
また、ドル円と同様に日銀の追加利上げに関する情報は円の動きに影響する可能性があります。
EUR/USDの振り返り
最後にEUR/USDの振り返りを行います。
EUR/USD30分足の様子です。
EUR/USDは、以下の流れで変動しました。
- 週明けすぐ→ユーロの買いが若干強く上昇傾向
- 週前半~半ば→明確な売買材料がなく、上昇・下落を繰り返すレンジ形成
- 週後半→地政学リスクや欧州PMI悪化でユーロ売り加速し安値更新
週明けすぐは、米ドルというよりユーロの動きが影響しました。
ユーロ単体での買い圧力が強く、上昇方向に推移します。
週半ばにかけては明確な売買材料がなく、レンジを形成しました。
一時的に米長期金利の上昇もあり米ドル買いで下落しますが、すぐに反発しています。
週後半になると、ユーロの売りが強くなり直近の安値を更新しています。
週後半はロシア・ウクライナ情勢の悪化からユーロ売りが加速しており、大幅な下落になりました。
また、金曜には欧州PMIでのユーロ売りも加速し、一時2023年10月の安値を更新しました。
今週のポイント(テクニカル)
今週のEUR/USD相場をテクニカル面で分析していきます。
今回は、日足チャートで見ていきます。
現在のEUR/USD相場は、2023年10月に付けた安値を更新中です。
2023年10月以降は対米ドルでユーロが強くなったので上昇方向に転じていましたが、直近は米ドル高が強く大きな下落を招いています。
EUR/USDのショート勢は、2023年10月安値である1.0450に決済指値を入れていることが予想されます。
そのため、仮にこのまま更新してきたとしても、一時的な反発を見せる可能性があるでしょう。
また、今週は月末ということもあり、ラインまで挑戦しない可能性もあります。
いずれにせよ、ラインを明確に超えた時点で再度下目線になると見ています。
年末までの動きに注目していきましょう。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のEUR/USD相場に重要なファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。
- 11月26日→米住宅新築販売件数
- 11月26日→米FOMC議事要旨
- 11月27日→米個人消費支出
- 11月29日→EU消費者物価指数速報値
- 週全体→ロシア・ウクライナ情勢の悪化懸念
米指標は複数ありますが、どちらかと言うとユーロ指標の方が重要となるでしょう。
EUは消費者物価指数がユーロの売買に影響すると見ています。
また、米ドル単体で見ると連日トランプ氏の政策に関する動向が注目されており、急変動を招く可能性も高いです。
ロシア・ウクライナ情勢の悪化は直近でユーロの売りを招いていますが、今後はアメリカの出方も注目されることから、米ドルの変動にも影響してくるでしょう。
まとめ
USD/JPY→週を通して明確なトレンドは出ず、方向性は整っていない
EUR/JPY→高値圏から徐々に転換中、ロシア・ウクライナ情勢悪化の懸念
EUR/USD→レンジから急落傾向、2023年10月の安値を更新中
月末に差し掛かってきましたが、まだ高いボラティリティで推移しています。
トランプ氏の動向や、ロシア・ウクライナ情勢の影響でまだまだ動きが出る可能性があるので、引き続き警戒していきましょう。