12月4週目の為替相場を振り返ります。
週明けは2025年もスタートしますが、取引をするうえでの注意点についても見ていきましょう。
USD/JPYの振り返り
USD/JPYの1週間を振り返ります。
以下は、USD/JPY30分足の様子です。
以下のような流れで変動しました。
- 週始め→156円台でスタート
- 週半ば→売買材料がないながらもドル高進む
- 12月26日に158円台突入
- 週後半→目立った動きなく157円後半で終値を迎える
前の週は、日銀の政策金利やFOMCの影響もあり、大きく動いた相場でした。
今回の相場を見ると停滞していることが分かります。
週明けは156円でスタートし、週始めには若干の上昇を見せました。
クリスマス休暇の影響もあり、特に明確な売買材料はなかったと言えるでしょう。
年末にかけてドル高が進むのがよくあるケースで、今年もドル高が徐々に強まった相場を形成します。
12月26日には158円台まで突入しますが、その後は再び停滞しています。
週後半も目立った動きはなく、157円後半で終値を迎えました。
今週のポイント(テクニカル)
USD/JPYのポイントをテクニカル面で分析します。
なお、今週は年末年始ということもあるので、今後1年間の長期分析を行います。
USD/JPYは、日足チャートで見ています。
まず現在の相場状況の振り返りです。
長期チャートで見たところ、現在のUSD/JPYは2番底を形成してから上昇に転じていることが分かります。
2023年の末と、2024年9月には140円台まで反発しましたが、結果的に下抜けすることはなく上昇しました。
2025年は、日銀の追加利上げやFOMCでの追加利下げが予想される年です。
2025年に入り円高が落ち着く可能性も充分ありますが、140円台を下抜けできるかが重要になるでしょう。
もしも下落して140円台で再度反発すれば、ここ1〜2年の相場と同じ状況が続くかもしれません。140円~160円のレンジ幅でどのように推移するかがポイントです。
短期的に見ると、現在は158円台が高値の目途となっています。
年末年始の流動性が低い相場の中、機関投資家の売買が入れば一気に上抜けする可能性もあるので注意してください。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
USD/JPY相場で重要となるファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。
- 12月31日~1月1日→主要国の休場
- 1月2日→2025年最初の米市場スタート
- 1月3日→ISM製造業指数
- 日本市場は1月5日まで休場
今週は、年末年始の関係もあり重要指標は少ないです。
12月31日~1月1日は、ほとんどの国で休場です。
過去には、株価や為替でフラッシュクラッシュという急変動が起こったこともあるので注意しましょう。
年末年始にはポジションを持ち越さないことも重要です。
米市場の開場は、1月2日からとなります。
1月2日からは徐々に流動性も上がってくると考えられるので、分析の難しい相場になると考えて良いでしょう。
1月3日には、今週唯一とも言える重要指標のISM製造業指数が発表されます。
年末にポジションを解消したトレーダーの売買起点となってもおかしくありません。
なお、日本は1月5日(日)まで休場となり、開場は1月6日(月)からとなります。
EUR/JPYの振り返り
続いて、EUR/JPYの1週間を振り返っていきます。
以下は、EUR/JPY30分足の様子です。
EUR/JPYは、以下のような流れで相場が動きました。
- 週明け→163円台で大きな陽線を付けてスタート
- 週半ば→流動性低下もユーロ買いにより上昇
- 12月26日→円売りが強まり164円台後半まで上昇
- 週後半→ユーロ買いが継続し164円台で終値を迎える
EUR/JPYの場合は、週明けすぐに大きな上昇を見せました。
30分足では大きな陽線が出ていますが、相関性を見る限りではユーロに買いが集中していたと言えるでしょう。
週半ばは、クリスマスの影響で欧州市場が休場となりました。
しかし、ユーロの買いが強かった影響もあり、EUR/JPYは上昇相場です。
12月26日に入ると、円安が加速した影響もあり164円台後半まで一気に上昇します。
一時は下落しましたが、週後半には再び上昇し164円台で終値を迎えています。
今週のポイント(テクニカル)
こちらも、今週1週間の短期的な見通しと今後の長期見通しを見ていきます。
まず、長期的な目線で見ていきます。
EUR/JPYは、現在日足ベースで見たところ、トリプルボトムを形成してから上昇中です。
156円台で3回の反発をしたのちに、大きく上昇していることが分かります。
3回目の下落でも安値を下回ることはなく、2024年12月からは上昇傾向です。
今後意識される価格帯は、2024年11月に付けた166円台の価格になると考えられます。
トリプルボトム形成後の上昇で強く意識されるであろう価格であり、もし上抜けすれば強力な買いサインになりそうです。
長期的には、166円台の更新と更新後の動きに注目しましょう。
短期的に見ると、直近ではヒゲが頻発した後に上昇したため、上昇圧力の強い相場と言えます。
短期的には上目線ではありますが、年末年始ということで、不安定な動きに警戒が必要です。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のEUR/JPY相場で重要になりそうなファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。
- 12月31日~1月1日→主要国の休場
- 1月2日→欧州市場のスタート
- 1月2日→欧・独のPMI改定値発表
- 1月3日→独失業率発表
- 日本市場は1月5日まで休場
こちらも、年末年始ということもあり、重要指標よりは休場の方に警戒が必要です。
12月31日〜1月1日は、多くの国で休場となります。
各FX会社でも取引ができない会社も多くなるでしょう。
1月2日から、欧州市場は開場し、いきなり各国のPMI発表です。
改定値ではあるので、市場のサプライズ感はそれほどないものと考えられます。
しかし、年始最初の指標となることから、売買の起点となってもおかしくありません。
また、1月3日にはドイツの失業率が発表され注目を集めそうです。
ドイツは極端な経済悪化が懸念されている国であり、指標結果がユーロ市場に影響を与えると考えて良いでしょう。
日本は1月5日まで休場ですが、円単体での変動も出る可能性があります。
EUR/USDの振り返り
最後に、EUR/USDの1週間を振り返ります。
EUR/USD30分足の様子です。
以下のような流れで変動を見せました。
- 週明けすぐ→ユーロ買いの影響で陽線を付けてスタート
- 週半ば→ドルとユーロ買いの均衡で停滞した相場が続く
- 週後半→若干ユーロの買いが強まり小さく上昇
EUR/USDは、週明けに陽線を付けてスタートしました。
週明けすぐは若干ユーロの買いが強くなっていたと言えるでしょう。
しかし、週始めにはすぐドルの買いが入ったことで下落します。
その後は、週の後半まで目立った動きもなく推移していました。
ユーロと米ドルの買いが均衡した状態です。
また、クリスマス休暇の影響で流動性が低下したことも停滞の原因と言えるでしょう。
週後半に入ると、若干ユーロの買いが強まりましたが、そこまで大きな上昇には至りませんでした。
今週のポイント(テクニカル)
今週の短期的な動きと、長期的な分析を行います。
以下は、EUR/USD4時間足の動向です。
まず、現在の相場を見ると、EUR/USDは下降トレンドの過程にある状態です。
米ドル高の影響もあり、長期的な下落が続いています。
直近では、11月の安値を下回ることなく、安値圏で停滞が続いている状況と言えるでしょう。
今週の相場では、まず大きな動きが見込めないです。このまま安値圏での停滞が続くと考えています。ただし、年末年始特有の急変動の可能性もあるので、ポジションの持ち越しは危険です。
長期的に見ると、もしこのまま安値への挑戦がなければダブルボトムを形成して上昇する可能性があります。
その際に買いサインとなるのが、12月6日に付けた1.062ドル台です。
その後は、1.093ドルあたりが高値の目途になると考えられます。
相場の方向性が2025年にガラリと変わる可能性も充分あるでしょう。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のEUR/USD相場に影響しそうなファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。
- 12月31日~1月1日→主要国の休場
- 1月2日→米、欧州市場のスタート
- 1月2日→欧・独のPMI改定値発表
- 1月3日→独失業率発表
- 1月3日→米ISM製造業指数発表
2通貨と同様、こちらも各国の休場に警戒です。
1月1日までは取引ができない会社も多いので、ポジションを持ち越す場合はリスク管理が重要になります。
1月2日から、米・欧市場は開場するので、徐々に動きは増えてくるかと考えられます。
1月3日には、ドイツの失業率や米ISM製造業指数など、相場変動に大きな影響を与える要因が多くなります。
週末にかけて徐々にボラティリティの高まりが期待できますが、具体的な値動きの分析がしにくい相場となるので、いつも以上に警戒してください。
まとめ
USD/JPY→総裁選や日銀利上げの影響で上昇も、後半にかけて円安進む。今後下落して140円台を下抜けできるかが長期的な視野になる。
EUR/JPY→ECBの利下げも円安の影響で強い上昇相場。166円を超えれば買いサインとなり上昇が強まる可能性。
EUR/USD→ドル買い強く下降トレンドの過程。2025年に入りダブルボトムからの上昇になる可能性あり。
2024年は、各国で利下げが始まる中、日銀では利上げを実施するなど、相場変動に大きな影響を与える出来事が多くなりました。
2020年のコロナショックから、為替相場の変動幅は大きくなっています。
2025年も激しい相場変動が予想されるので、特に年明けはリスク管理を徹底しながら取引を行ってください。