1月2週目の為替相場を振り返ります。
相場変動の流れや、今週の見通しまで詳しく見ていきましょう。
USD/JPYの振り返り
まずは、USD/JPYの相場を振り返ります。
USD/JPY30分足です。
以下のような流れで変動しました。
- 週明け→一時156円前半まで下落も、即時反発を見せる
- 週半ば→ドル買い強く上昇傾向に
- 1月9日→157円前半まで一時下落
- 1月10日→雇用統計の影響で急騰・急落
先週まで年末年始であったということもあり、日本市場は1月6日の開場となりました。
日本時間ではあまり動きがありませんでしたが、米市場の開場と共に大きく動きます。
一時156円台までドル売りが進みましたが、すぐに反発しました。
週明けということで売買が過熱したと言えるでしょう。
その後は大きな下落もなく、ドル買いにより上昇傾向でした。
1月9日にはドル買いも落ち着き、一時157円台まで下落します。
下落の要因は、ユニバーサル関税に関する報道です。
次期トランプ政権では、すべての輸入品に関税がかかるとされていましたが、重要な特定の輸入品のみを対象とする方針となったと報道されました。
経済への悪化は限定的とされて、ドル高が落ち着いた形です。
1月10日には雇用統計が発表され、市場予想を大きく上回る結果になりました。
一時は急騰しましたが即反発し、157.6円台で終値を迎えています。
今週のポイント(テクニカル)
続いて、今週のUSD/JPYをテクニカル面で見ていきます。
今回はUSD/JPYを日足チャートで見ていきます。
現在のUSD/JPY相場は、日足ベースで見ると最高値の挑戦中です。
年末にもお伝えした通り、158円前半の価格が重要になってきそうです。
まだ明確な更新には至っていないので、更新できれば再度160円台の挑戦もあり得るでしょう。
158円前半の価格は強く意識されている価格帯なので、仮に更新するようであれば、今後サポートラインに切り替わる可能性があります。
今後下落するとすれば、156円台の価格帯が重要になってきそうです。
11月半ばに付けた高値ラインですが、この価格まで下落したとしても再度反発する可能性があるでしょう。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のUSD/JPYをファンダメンタルズ的要素から見ていきます。
今週は、以下のような指標に警戒しましょう。
- 1月13日(月)→日本市場の休場
- 1月15日(水)→米消費者物価指数
- 週全体→1月20日に就任するトランプ氏の発言
重要指標こそ少ないですが、大きな変動は予想されます。
まず1月13日は日本が祝日となっているので、流動性の低下に注意してください。
今週最も注目すべきは、1月15日の米消費者物価指数です。
FRBは12月のFOMC時に、2025年は年2回程度の利下げになると発言しました。
思った以上に利下げペースが遅いとの見方から、現在のドル高に繋がっている状況です。
消費者物価指数の影響で米ドルの激しい変動が予想されます。
また、1月20日にはドナルド・トランプ氏が米大統領に就任します。
1週間前の今週は、トランプ氏の発言で相場変動が起きる可能性が高いので警戒してください。
EUR/JPYの振り返り
次に、EUR/JPYの振り返りを行います。
EUR/JPY30分足です。
以下のような流れで相場が変動しました。
- 週明け→ユーロ買いにより上昇傾向
- 1月7日→164円台まで上昇
- 週後半→米関税政策を巡る報道や欧州経済の悪化で下落傾向
- 1月10日→ユーロ売り加速で一時161円台まで下落
1月初週は下落した状態でしたが、1月6日より上昇傾向にありました。
週の前半から半ばまではユーロの買いが強かったと言えるでしょう。
始値は161円後半でしたが、1月7日までに164円台まで大幅な上昇となりました。
ユーロの好調が続きましたが、週半ばから後半にかけて売り圧力が強まります。
欧州経済指標の悪化や次期トランプ政権での関税政策がマイナス要素となり、ユーロの売りが強まった形です。
週末金曜には再度ユーロ売りが強まり、一時161円台前半まで下落しました。
今週のポイント(テクニカル)
今週のEUR/JPYをテクニカル面から見ていきます。
EUR/JPYは、4時間足で見ていきます。
EUR/JPYは、大きな下落の後に上昇へ転換している最中です。
これまで順調に上昇を続けてきましたが、徐々に停滞してきました。
黒い〇の部分でレンジを形成していると言えるでしょう。
161円〜164円後半までの価格でレンジが形成をされており、まだ明確な相場の方向性は掴めません。
今後は高安値をどちらにブレイクできるかが重要になるでしょう。
直近では徐々にユーロ売りも強まっているので、転換する可能性もあります。
仮に、161円を下回ってくれば、これまでサポートとして機能していたラインがレジスタンスラインに切り替わる可能性があります。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のEUR/JPY相場に影響しそうな、ファンダメンタルズ的要素は以下の通りです。
- 1月13日(月)→日本市場の休場
- 1月16日(木)→欧州中銀理事会議事要旨
- 1月17日(金)→12月消費者物価指数改定値
今週は、重要度の高い欧州指標は少ないです。
週明けの月曜は日本市場が休場なので、円での流動性低下には警戒しましょう。
週半ばまでは大きな指標がないので、米政権の関税に関する報道など、別の要因に警戒が必要です。
16日は欧州中銀議事要旨、17日には欧州の消費者物価指数に警戒してください。
週全体でトランプ政権の動向が意識されるので、突発的な変動に注意して取引をしましょう。
EUR/USDの振り返り
最後に、EUR/USDの振り返りを行います。
EUR/USD30分足です。
以下のような流れで相場が変動しました。
- 週始め→ユーロ買い強く上昇傾向
- 週半ば→欧州指標悪化、米関税強化報道でユーロ売り進む
- 週後半→ドル買いが落ち着き安値圏で停滞気味
- 1月10日→再度ユーロ安が加速し直近安値更新
週の始めはユーロ買いが強まりました。
1月7日には欧州消費者物価指数も発表されましたが、インフレ加速との見方からユーロの買いも強まった状況です。
ドルは若干の買い優勢ではありましたが、ユーロの買いが強い勢いで上回っていきました。
週半ばに入ると、欧州指標悪化や米関税強化報道によりドル買いが強まります。
上昇水準前の価格まで戻したまま、週後半はドル買いが落ち着き停滞しました。
1月10日(金)には、再度ユーロ売りが加速して、直近安値を更新しています。
今週のポイント(テクニカル)
今週のEUR/USD相場を振り返ります。
EUR/USDは、1時間足で見ていきます。
これまでEUR/USDは、強い下落過程にありました。
現在は安値圏でレンジを形成している状況と言えるでしょう。
ただし、レンジ内でも価格が安定していないです。
現在の相場を見ると、黒い〇のポイントを見ても分かるように、ダブルトップを作って下落していることが分かります。
まだ下目線の強い相場であるので、今後は安値ラインを下回ってくることも予想されるでしょう。
1.025ドル付近の安値を下回ってくれば、再度大きく下落する可能性があります。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のEUR//USD相場に影響しそうなファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。
- 1月15日(水)→米消費者物価指数
- 1月16日(木)→欧州中銀理事会議事要旨
- 1月17日(金)→12月消費者物価指数改定値
- 週全体→1月20日に就任するトランプ氏の発言
先週は、一時的にユーロ単体で変動するケースも多く見られました。
今週は米ドル単体での変動に警戒しましょう。
最も注目度が高い指標は、1月15日の米消費者物価指数です。
米ドル含む主要通貨の変動に大きな影響を与える可能性が高いでしょう。
また、週全体でトランプ氏の動向には注目です。
関税での政策が注目されていますが、就任前から為替市場に大きな影響を与えています。
今週も突発的な動きに警戒して取引を行いましょう。
まとめ
USD/JPY→ドル買い強く上昇傾向、158円台の更新で160円再挑戦も視野に
EUR/JPY→週前半に上昇も後半は米ドル買いで下落、ユーロ売りによる転換も
EUR/USD→一時的な上昇も再度下落、直近安値の更新も
1月も3週目に突入しますが、依然としてトランプ氏が相場を大きく動かしている状況です。
今週も、次期大統領政権での動向に注意して、リスクの低い取引を進めましょう。