日銀追加利上げ後の相場予想【2025年1月27日週刊レポート】

1月4週目の為替相場を振り返ります。

1週間の振り返りに加え、今週の見通しも見ていきましょう。

USD/JPYの振り返り

まずは、USD/JPYの1週間を振り返ります。

USD/JPY30分足です。

以下のような流れで相場が動きました。

  • 週明けすぐ→156円台でスタート
  • 週前半→日銀の利上げ観測で円買い進む
  • 週半ば→米金利上昇に伴うドル買い、円売り優勢
  • 週後半→日銀追加利上げの実施で円買い優勢に

週明けすぐは、156円台の半ばでスタートしました。

週前半には、金曜に予定されていた日銀の政策金融決定会合で利上げが観測されます。

結果、円の買いが進み154円後半まで円高が進みました。

しかし、週半ばになると、米金利上昇に伴うドル買いが活発になりました。

結果、156円台後半まで価格を伸ばしています。

週後半の1月24日には、日銀の政策金融決定会合が行われました。

市場予想通りの追加利上げでしたが、それまで高値を推移していたUSD/JPY相場も大きく下落します。

しかし、円買いは一時的なもので、夕方から夜にかけては調整相場になり上昇傾向でした。

今週のポイント(テクニカル)

今週のUSD/JPY相場をテクニカル面から分析していきます。

以下は、USD/JPY1時間足の様子です。

1時間足で見ると、現在のUSD/JPYは高値圏でレンジを形成中です。

高値から徐々に下落していますが、まだ明確な転換には至っていません。

現在は、安値のライン(黒い〇部分)で2回の反発をしています。

3回目の挑戦で下回ってくれば、154円後半の価格が高値に切り替わり下落する可能性もあるでしょう。

また、仮に3回目の挑戦でも再度反発すれば、再度上昇傾向に進む可能性があります。

月末に入り徐々に取引も落ち着いてくる可能性もあるので、レンジ継続もあり得るでしょう。

今週のポイント(ファンダメンタルズ)

次に、USD/JPY相場で重要になるファンダメンタルズ的要素を見ていきます。

  • 1月27日(月)→米12月新築住宅販売件数
  • 1月29日(水)→日銀・金融政策決定会合議事要旨、FOMC
  • 1月30日(木)→10-12月期四半期実質国内総生産

今週は重要指標が多い週です。

月曜の新築販売件数や、木曜の四半期国内総生産の速報値に警戒しましょう。

また、特に相場が動きそうなのは水曜日です。

日銀は先週の会合で利上げを実施しており、今後の金融政策にも注目が集まります。

政策金利の議事要旨の公開次第で相場変動が予想されます。

また、1月29日にはFOMCがあり、金利は据え置きが予想されています。

米大統領のトランプ氏は、FRBに対して利下げを示唆したとの報道もあるため、パウエル議長の発言にも注目が集まります。

EUR/JPYの振り返り

次に、EUR/JPYの1週間を振り返ります。

EUR/JPY30分足です。

以下のような要因で相場が変動しました。

  • 週明け→160円半ばでスタート
  • 週前半→一時的なユーロ売りも、米の対欧州関税発表されず限定的
  • 週半ば→リスク選好のユーロ買いにより上昇
  • 週後半→日銀会合で下落も、直後にドイツの1月PMIの成長により回復

週の前半、ドイツの1月ZEW期待指数が振るわなかったことで、欧州ではユーロ売りの動きが続きました。
22日にはリスクを取る姿勢が一層強まり、米国の長期金利が上昇した影響で円が売られ、ユーロ円は162円台から163円台に上昇しました。
ECB総裁による利下げの可能性を示唆する発言でユーロの下落圧力はありましたが、円安基調が勝りました。
23日には、米国の労働市場の弱さが明らかになり、それを受けたFRBの利下げ観測によりドル売りが進行。この影響でユーロ円は一時的に値を下げました。さらに、日銀が追加利上げを行うとの見方も円高要因として作用しました。
24日には、トランプ米大統領が関税に柔軟な姿勢を示し、加えて米経済指標の不調が米金利を押し下げたことで、ドル売りと円買いが優勢になります。しかし同時に、ドイツのPMIが予想を上回る内容だったためユーロが買い戻され、ユーロ円は一時164円台に到達した後、163円台で取引を終えました。

今週のポイント(テクニカル)

続いて、今週のEUR/JPY相場をテクニカル面で分析します。

EUR/JPY4時間足です。

現在は、159円後半〜164円後半の価格帯でレンジを形成していると判断できます。

レンジ幅は大きいですが、まだ明確な方向性は掴めない状況と言えるでしょう。

先週までは下落の勢いが強かったですが、159円後半の価格に挑戦することはなく上昇傾向にあります。

そのため、現在は高値のラインに注目していきましょう。

今後は、164円後半の価格まで上昇し、明確に更新すれば上目線に切り替わると判断できるでしょう。

しかし、164円後半の価格で再度反発をすれば、引き続きレンジが形成される可能性が高いです。

今週のポイント(ファンダメンタルズ)

今週のEUR/JPY相場で重要になるファンダメンタルズ的要素は以下の通りです。

  • 1月29日(水)→日銀政策金融決定会合議事要旨
  • 1月30日(木)→ドイツ10-12月期国内総生産
  • 1月30日(木)→ユーロ圏、10-12月期四半期域内総生産
  • 1月30日(木)→欧州中銀政策金利

1月29日には、日銀会合の議事要旨で円での変動に警戒すべきです。

先週は思ったほど円高になっていませんが、今後の金融政策の指針次第で動く可能性があります。

また、ユーロで見ると、今週は木曜日に指標が集中しています。

夕方〜夜にかけては、ドイツや欧州のGDP速報値が発表されるので、一時的な動きがありそうです。

また、22時15分には欧州中銀政策金利が発表されます。

市場予想では追加の利下げが実施されるものと見られていますが、ハイペースで進む利下げに市場がどのように反応するか注目です。

EUR/USDの振り返り

最後に、EUR/USDの1週間を振り返ります。

以下はEUR/USD30分足のチャートです。

EUR/USDは、以下のような流れで変動しました。

  • 週始め→ユーロ買い強く上昇
  • 1月21日→仏中銀の利下げ示唆、ドイツ指標の悪化でユーロ売り
  • 1月22日→ラガルド総裁発言でユーロ売り進行
  • 週後半→トランプ氏の関税政策発言や米指標の悪化でドル売り

1月21日から24日にかけてのユーロドルの動きは、欧米の経済指標や政策が影響し、変動が見られました。
21日には、ビルロワドガロー仏中銀総裁が利下げの可能性に言及したことや、ドイツの1月ZEW期待指数が低調だったことでユーロが売られ、一時1.0342ドルまで下落しました。
しかし、米国が対欧州関税を発表しなかったことでユーロ売りは抑えられ、1.0435ドルまで反発しました。22日にはリスク選好の高まりからドル買いが進みましたが、ECBのラガルド総裁が米インフレの影響は欧州に及びにくいとした発言を受け、ユーロ売りが優勢となり、1.0412ドルで引けました。
23日には、米国の労働市場の弱さが明らかになり、FRBの利下げ観測が強まったことでドルが売られました。
これを受け、ユーロドルは一時1.0373ドルまで下げた後、1.0438ドルまで反発して取引を終えました。
24日には、トランプ大統領が関税政策を緩和する姿勢を見せたことや、米指標の低調さがドル売りを後押しします。一方で、ドイツの1月PMIが予想以上に改善したことでユーロ買いが進み、ユーロドルは1.0463ドルから1.0521ドルまで上昇して終了しました。

今週のポイント(テクニカル)

今週のEUR/USD相場をテクニカル面で分析します。

以下は、EUR/USD4時間足のチャートです。

EUR/USDは、4時間足で見ると安値圏で停滞している相場です。

直近では徐々に上昇しており、安値から反発している状況です。

まだ上昇幅は小さいので、明確な転換とは言えないでしょう。

今後は、1.0606ドルまで上昇できるかが重要になりそうです。

明確に上抜けしない限り、まだ安値で停滞する可能性があります。

今週は流動性の低下にも注意してください。

今週のポイント(ファンダメンタルズ)

今週のEUR/USD相場で重要になるファンダメンタルズ的要素は以下の通りです。

  • 1月27日(月)→米12月新築住宅販売件数
  • 1月29日(水)→FOMC
  • 1月30日(木)→ドイツ10-12月期国内総生産
  • 1月30日(木)→ユーロ圏、10-12月期四半期域内総生産
  • 1月30日(木)→欧州中銀政策金利
  • 1月30日(木)→10-12月期四半期実質国内総生産

指標の多さを見る限り、今週はEUR/USDでの大きな変動が予想されます。

29日には、FOMCがありますが、金利の変動がなかった場合でもパウエル議長の発言で米ドルが動く可能性が高まるでしょう。

また、1月30日にはユーロでの変動に警戒すべきです。

ドイツ、ユーロ圏のGDP発表に加え、ECBの政策金利もあります。

ECBでは利下げが実施されていることから、今後の金利動向にも注目が集まるため、ユーロ単体での動きに警戒していきましょう。

まとめ

USD/JPY→日銀利下げの影響は限定的で上昇、FOMCでの変動に警戒

EUR/JPY→EU圏指標改善で上昇傾向、ECB政策金利で反発の可能性

EUR/USD→ユーロ買い、ドル売りで上昇傾向、指標集中のため大きな変動に警戒

トランプ氏の就任により、為替市場の動きにも注目が集まっています。

先週の日銀に加え、今週はECB・FRBでの金融政策が発表されるので、月末とは言えど警戒していきましょう。

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