1月最終週の為替相場を振り返ります。
1週間の振り返りから、今週の見通しまで見ていきましょう。
USD/JPYの振り返り
まず、USD/JPYの1週間を振り返ります。
USD/JPY30分足です。
以下のような流れで変動しました。
- 週明け→155円半ばでスタート
- 週前半→米指標悪化によるドル売り
- 1月28日→トランプ大統領の関税政策発言で上昇
- 週半ば→貿易赤字拡大、GDPの悪化によるドル売り
- 週後半→調整相場に切り変わり上昇傾向
週明けのUSD/JPYは、155円半ばでスタートしました。
その後、週明けすぐに大きな下落を見せます。
中国のAIスタートアップのDeepSeekが台頭した影響で、米国株の大幅な下落を招きました。
また、新築住宅販売件数等の経済指標悪化により、米ドル売りが加速し急落します。
その後は、トランプ大統領が一律関税を大幅に高く設定したいという思惑から回復します。
週半ばに入ると、再度米ドル売りにより下落しました。
29日には貿易赤字の拡大、30日には米GDPの大幅悪化を受け、一時153円後半まで下落しました。
週後半は徐々に調整され、155.1円台で終値を迎えています。
今週のポイント(テクニカル)
続いて、USD/JPY相場をテクニカル面で分析していきます。
今週はUSD/JPYを1時間足で見ていきます。
現在のUSD/JPYは、1時間足で見ると下落過程にあると言えるでしょう。
先週は意識される安値ラインを更新しましたが、すぐに反発しました。
安値で2回の反発をしており、二番底を付けている相場とも判断できます。
今週は、前回安値として意識されていた155.1円が強く意識される可能性があります。
今後の高値ラインとして機能する可能性があり、仮に上抜けすると上昇が強い相場になりそうです。
しかし、仮に反発すれば現在価格でのレンジ、または再度安値への挑戦を見せると考えられます。
今週のポイント
今週のUSDJPY相場に影響しそうなファンダメンタルズ的要素は以下の通りです。
- 2月3日(月)→1月ISM製造業景況指数
- 2月5日(水)→ADP雇用統計
- 2月7日(金)→雇用統計
今週は日本の重要指標がありません。
しかし、1月後半に利上げを実施したばかりなので、日銀や政府の動向には警戒していきましょう。
ISM製造業指数やADP雇用統計などの米指標は週前半に集中しているので、今週も米ドルでの変動が予想されます。
また、2月のスタートということで、金曜には雇用統計が発表されます。
直近の米指標は軒並み悪化が続いているので、雇用統計の注目度は高いと言えるでしょう。
EUR/JPYの振り返り
次に、EUR/JPYの振り返りを行います。
以下は、EUR/JPY30分足の動向です。
以下のような流れで変動しました。
- 週明け→上窓を付けて163円前半でスタート
- 週前半→ユーロ、円での売買が均衡し停滞
- 週半ば~後半→ECBの利下げやフランス・ドイツのマイナス成長によりユーロ売り加速
週明けは、大きな上窓を付けて163円台でスタートしました。
その後すぐに上昇したため、窓埋めは完了しています。
週前半は、円やユーロでの目立った売買材料がなく、レンジ気味に推移していました。
しかし、週半ば〜後半にかけて大きく下落します。
1月30日には、ECBが4会合連続となる利下げを実施しました。
市場予想通りであったため一時ユーロは買戻しされましたが、3月の追加利下げが示唆されたことから、ユーロの売りが強まります。
また、ドイツ・フランスのマイナス成長も影響しました。
今週のポイント(テクニカル)
次に、今週のEUR/JPY相場をテクニカル面で分析します。
今週のEUR/JPY相場を1時間足で見ていきます。
EUR/JPY相場は、一時的に上昇相場になりましたが、現在は再度下落過程です。
ユーロ売りの強い相場ではありますが、今週も再度下落する可能性がありそうです。
160.9円台が強く意識されていますが、反発してくれば再度安値への挑戦もあり得ます。
先週の下落では、1月中旬に付けた安値に届いていないので、次は159.6円が次の安値目途となります。159.6円を明確に更新すれば、下降トレンドの継続になると考えられます。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のEUR/JPY相場に影響しそうなファンダメンタルズ要素は以下の通りです。
- 2月3日(月)→欧州1月消費者物価指数
- 2月6日(木)→イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
- 2月9日(金)→雇用統計の影響
円での指標はありませんが、金利に関するニュースに関しては注意してください。
今週もユーロでの変動が予想されます。
2月3日(月)には、欧州の消費者物価指数速報値が発表されます。
ECBは、急速な利下げを進めていますが、インフレ率の改善が見られなければ、ユーロの買いが強まる可能性が高まります。
また、木曜日にはイングランド中銀の金利が発表されるので、相対的なユーロの変動に注意してください。
また、週末の雇用統計では円、ユーロの両方の売買に影響を与える可能性があります。
EUR/USDの振り返り
最後に、EUR/USDの相場を振り返ります。
EUR/USD30分足の価格動向です。
以下のような流れで変動しました。
- 週始め→上窓を付けてスタート
- 週前半→米指標悪化によりドル売り加速で上昇
- 1月28日→トランプ大統領の関税政策による米ドル買いで下落
- 週半ば~後半→ECBの利下げによるユーロ売りも、米GDP悪化による米ドル売りで停滞
週の始めには、上窓を付けてスタートしました。
EUR/JPYでも同様なので、ユーロの売りが強かったと言えるでしょう。
週前半には、米指標の悪化でドル買いによる上昇となりました。
しかし、1月28日にはトランプ大統領の関税政策の方針でドル買いが進み、大きく下落します。
その後は停滞しましたが、週後半にはECBの利下げ、米GDPの影響で大きく変動します。
しかし、ユーロ・米ドルの両方で売りが強かった影響もあり、トレンドが出る事はなく停滞しています。
今週のポイント(テクニカル)
続いて、今週のEUR/USD相場をテクニカル面から分析します。
EUR/USDは、引き続き4時間足で見ていきます。
先週と変わらず、EUR/USDはまだ安値圏で停滞中です。
幅の大きいレンジを形成しており、しばらく明確なトレンドは出ていません。
直近では米ドルの売りとユーロの売りで均衡しており、値動き自体も少なくなっています。
まだレンジ内を推移していますが、上昇傾向にはあるので、1.0606ドルが引き続き上値の目途となるでしょう。
レンジ期間が長くなっていることから、短期間でトレンドが発生する可能性もあります。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のEUR/USD相場に影響しそうなファンダメンタルズ的要素は以下の通りです。
- 2月3日(月)→1月ISM製造業景況指数
- 2月3日(月)→欧州1月消費者物価指数
- 2月5日(水)→ADP雇用統計
- 2月6日(木)→イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
- 2月7日(金)→雇用統計
週前半はユーロ、週後半は米ドルでの変動に警戒です。
月曜の欧州消費者物価指数の注目度は高いので、結果次第で急変動が起きてもおかしくないでしょう。
また、最も注目すべきは雇用統計です。
米ドルだけではなく、相対的なユーロの売買にも影響を与える可能性があります。
2月スタートということで、大きな相場変動が予想されるので注意してください。
まとめ
USD/JPY→米指標悪化の影響で下落傾向、雇用統計による米ドル単体での変動が予想される
EUR/JPY→ECB利下げによる下降トレンド形成、消費者物価指数での反応に注目
EUR/USD→米ドル・ユーロ両方の売りで停滞気味、週前半はユーロ、週後半は米ドルでの変動に警戒
早くも1月が終わり、今週から2月のスタートです。
2月の初週は大きな変動が予想されるので、警戒して取引を行いましょう。