10月の株価は大統領選を控えて、限定された動き 新型コロナウイルスの影響下でのヒトやモノの動きは?
11月3日のアメリカ大統領選挙を前に、10月の株価は日米ともに、やはり、どちらにも動きませんでした。
通常、10月といえば、何とかショックという、大きな調整が起きて、その急落が落ち着いたタイミングで買いを入れて、年末ラリーというのが通常のトレードイメージと思いますが、大統領選の年は、選挙までは株価は維持される傾向があります。
今年もやはり、欧州でコロナウイルスの感染の第2波で夜間外出禁止令発令感染拡大という大きな悪材料にも特に崩れることはありませんでした。
それだけ、大統領選後は、それまで我慢していた機関投資家が一斉にポジションを取り始めるために大きなトレンドが生まれる、ということを4年ごとに繰り返しています。
つまり、選挙前の株価は、新型コロナウイルスの影響で本来評価されるべき経済指標やモノの動きなどのシグナルが、あまり株価に織り込まれていない傾向があります。
このことを忘れて、うっかり落とし穴にはまらないように、足元の経済統計、モノの動きをここで、確認しておきましょう。
9月の経済指標と回復状況
9月の貿易統計速報によると輸出額は前年同月比4.9%減となり、マイナス幅は4カ月連続で縮小。
自動車の輸出額は5月は同64%減でしたが、9月はほぼ前年並み(同0.5%減)まで戻してます。
世界で受容されている日本製品の輸出急回復に、世界の、ある程度の需要回復が確認できます。
外出している人の割合やリモートワークなどの影響は?
米グーグルがスマートフォン利用者の位置情報をもとに移動先を分析したデータを使って、ヒトの動きを分析しますと、世界の主要都市のロックダウンからの回復度合い、リモートワークの現状が比較できます。
新型コロナが再拡大している欧州では、パリやロンドンの飲食・娯楽施設や公共交通機関の人出が減少傾向なのが、確認できます。東京はまだ、欧米に対し比較優位にあります。
ニューヨークはすべてにおいてヒトの動きは最も低い水準にあり、現在の高値に維持された株価とのギャップに違和感を禁じえません。
国内での新型コロナウイルス対応の影響で最も注目すべきなのは、パートやアルバイトなど非正規の雇用に厳しさが続いていることです。
雇用者数は前年同月と比べると120万人減りました。男女別に見ると女性84万人、男性36万人で、女性の非正規雇用にしわ寄せが集中しています。
これは、国内消費を今後一層冷やしデフレを加速させる先行シグナルではないでしょうか。
以上のことを踏まえて、大統領選後のトレードに取り組みましょう。