7月4週目の為替相場を振り返ります。
チャート上には、複合型移動平均線のGMMAを表示させています。
USD/JPYの振り返り
USD/JPY1時間足です。
7月の前半から円買いによる下落が続いていましたが、今回の相場でも影響が顕著に出ています。
週の前半には目立った動きがなく、156円〜157円台で停滞しましたが、24日あたりからすぐに動き出します。
7月24日には、これまで意識されていた155円台の直近安値を更新しており、大幅な下落を見せました。
急速な円高となった要因は以下の通りです。
- 米大統領選の影響で市場のリスクオフが加速
- 日銀の追加利上げの可能性が高まってきた影響
現在、米大統領選の状況が白熱していますが、不安定な情勢を懸念した投資家が円を買いリスクオフ状態になっていると考えられます。
また、今週に控えた日銀の政策金融決定会合で、追加での利上げが予想され、日米の金利差縮小から円が買われた状況です。
7月25日には151円台まで突入しましたが、週末にかけては調整相場となり、154円後半の価格で終値を迎えています。
今週のポイント(テクニカル)
USD/JPYの今週のポイントをテクニカル面で見ていきます。
以下は、USD/JPY4時間足の様子です。
今週は、2カ所の意識される価格帯が重要になると考えています。
- 154.75円付近
- 151.91円付近
まずは、現在の価格帯である154.75円付近です。
この価格は、画面中央の赤〇部分である2024年6月上旬に付けた安値ラインです。
現在は上値として機能していますが、週の始めから反発すれば再度安値への挑戦も考えられます。
下落してきた場合、次のポイントとなるのが151.91円台です。
先週付けた安値のラインですが、画面左の赤い〇を見て分かるように、2024年5月に強く意識されていたラインでもあります。
円高が進行して下落が続くとすれば、この151円後半の価格で下抜けできるかが重要となるでしょう。
なお、直近で激しく動いた影響もあり、今週中は目立ったトレンドも出ずに終わる可能性もあります。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のUSD/JPY相場で注意すべきファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。
- 日銀金融政策決定会合および植田総裁の定例会見の内容
- FOMCおよび、パウエルFRB議長会見の内容
- 雇用統計の影響
直近では、大統領選の影響で相場が動くケースも多くありました。
今週は、重要指標が集中しているため、指標結果での影響に注意すべきです。
7月31日には日銀の政策金融決定会合ですが、市場予想は据え置きです。
しかし、利上げ予想をするアナリストも多くなっていることから、利上げに伴うサプライズ感で円高が加速する可能性もあるでしょう。
また、7月31日にはFOMC・8月2日には米国雇用統計と米ドルでの変動にも注意しなければいけません。
追加利上げの可能性はほとんどありませんが、依然としてインフレリスクが懸念されるようであれば、再度米ドルの買いが進み、円高が抑制される可能性もあります。
EUR/JPYの振り返り
EUR/JPY1時間足の様子です。
値幅や細かい動きは異なりますが、今回も同じクロス円であるUSD/JPYと似たような動きになっています。
USD/JPYだけでなく、他のクロス円通貨とも同様の動きになっているので、円での変動が大きく影響を与えたと言えるでしょう。
7月22日の週始めには前回安値で反発してレンジを形成しましたが、23日にはすぐ安値を更新します。
安値で停滞することなく、一本のローソク足で下落しており、若干のユーロ売りも見られています。
- 日銀の利上げ観測による円買い
- 市場のリスクオフによる相対的なユーロ売り
下落要因は上記のような影響が強いとされています。
7月25日には、164円後半まで価格を下げましたが、週末にかけては上昇します。
168円台まで価格を戻しましたが、週末にはパリオリンピック開幕式を前にした仏高速鉄道の放火のニュースなどで再度ユーロが売られ、166.8円台で終値を迎えています。
今週のポイント(テクニカル)
今週のEUR/JPYのポイントをテクニカル面で見ていきます。
EUR/JPY4時間足での様子です。
今週のEUR/JPY相場は、現在価格付近での動きがまず重要になります。
現在の価格帯は、2024年6月中旬(黒〇部分)に付けた価格です。
現在は下落後に上値として機能している状態となります。
直近では円高の影響で急落を見せているため、一時的な反発は想定内ですが、上値を大きく更新すれば転換してきてもおかしくないでしょう。
反対に、下抜けしてくれば前回安値よりも直近安値の更新が重要となります。
円高が進み、164.8円を下回るようであれば、下降トレンドの継続が見込めそうです。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のEUR/JPY相場で注意すべきファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。
- パリオリンピックの影響
- 日銀の政策金融決定会合の結果
- EU四半期国内総生産および、消費者物価指数の影響
まず、円を主軸で考えると、日銀の政策金融決定会合や植田総裁の定例会見が重要になってきそうです。
さらなる円高の可能性もあるので注意しましょう。
また、今週はユーロ単体での動きにも注意してください。
パリオリンピックの影響が徐々に為替相場に出ていることもあり、治安面での動向で動きがあるかもしれません。
今週はEUのGDP・CPIも発表されるということもあり、インフレリスクに関する情報も追っていくと良いでしょう。
EUR/USDの振り返り
EUR/USD1時間足の様子です。
EUR/USDは、直近で上昇が続いていましたが、7月3週目に入り高値から転換していました。
4週目の今回も下落の勢いが強かったと見て良いでしょう。
7月23日には、対米ドルでのユーロ売りが強くなった影響で、直近の安値を更新します。
- 市場のリスクオフに伴う相対的なユーロ売り
- PMIでの結果が弱い内容が続く
上記のような要因で、ユーロ売りが強く出た相場でした。
しかし、下落は一時的で週の後半にかけてはレンジを形成します。
ユーロの売りは依然として強くありましたが、米ドルの売りも同時に出た影響です。
結果、週末にかけては大きく動くことなく、レンジ内で終値を迎えています。
今週のポイント(テクニカル)
今週のEUR/JPYのポイントをテクニカル面で見ていきます。
こちらは、30分足の動向を示しています。
1時間足ではレンジ気味の推移と判断できましたが、30分足では徐々に安値が切り上がっていることが確認できます。
週末にかけて徐々にレンジ幅が小さくなっていった三角持ち合いを形成中です。
持ち合い相場はブレイクの前兆になりやすいので、今週に大きく動く可能性が高いと見ていいでしょう。
また、直近の下落時を見ると、下ヒゲが頻発していることが分かります。
徐々の下落の力が弱まっている証拠とも捉えられるので、週明け以降に現在の高値を更新できるかが重要となってきそうです。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のEUR/USD相場で注意すべきファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。
- EU四半期国内総生産および、消費者物価指数の影響
- FOMCおよび、パウエルFRB議長会見の内容
- 雇用統計の影響
今週は、米・EUどちらの指標も大きな影響を与えると考えられます。
EUでは、国内総生産や消費者物価指数の影響に注意してください。
ECBは9月ごろに追加利下げを実施する見通しですが、インフレの状況次第とも考えられます。
FOMCでは早期利下げがないとされながらも、パウエル議長の会見や雇用統計の影響は強く出そうです。
テクニカル面よりも、ファンダメンタルズ面での予期せぬ動きに警戒して、急変動にも巻き込まれても大丈夫な資金管理で臨みましょう。
まとめ
USD/JPY→現在の価格帯である154.75円付近で明確な反発を見せれば、151円台後半までの再挑戦が見込まれる。日銀の政策金利に注目。
EURJPY→直近安値の164.8円台まで挑戦できるかに注目。オリンピックの影響やEUのGDP・CPIに警戒。
EUR/USD→持ち合い相場形成後のブレイクが出る可能性が高い。米・EUの各重要指標に注目。
今週から8月もスタートするということで、各主要国での重要指標が多くなります。
一時的な急変動や予期せぬ動きを見せる可能性が高いので、注意して取引を行いましょう。