8月4週目の為替相場を振り返ります。
チャート上には複合型移動平均線のGMMAを表示させています。
USD/JPYの振り返り
USD/JPY30分足の様子です。
今週のUSD/JPY相場は、週を通してレンジを形成しました。
しかし、細かい値動きを見ると以下のような変動になっています。
- 週の最初に一時的な円安になるもすぐドルが売られ下落
- 8月21日に雇用統計の下方修正で一時的な上昇
- 8月23日の日銀発言で円買い進む
- 8月23日のジャクソンホールで利下げ観測が高まりドル売り加速
まず、週の最初には一時的な下落から上昇を見せていることが分かります。
いきなり大きな下落を見せたため、反動で円安が加速した形です。
しかし、上昇は長く続くことはなくドル売りの影響で反発を見せます。
その後は目立った動きがありませんでしたが、8月21日に雇用統計の下方修正が入った影響でドルが一時的に買われました。
30分足で長い上ヒゲを付けているため、あくまでも上昇は一時的なものです。
8月23日の午前中には、日銀総裁のタカ派姿勢ともとれる発言から円買いが進行します。
また、同日の夜にはジャクソンホールでのFRB議長による9月の利下げ示唆からドルが売られ下落したまま終値を迎えた形です。
今週のポイント(テクニカル)
今週のUSD/JPY相場をテクニカル面から分析していきます。
現在、下落後のレンジ形成となっているので、まだ下降トレンドの過程にあると言えるでしょう。今週も引き続き下目線の継続になると考えられます。
現在は、直近安値である144.88円台の価格を下抜けしている状態です。
ただし、下降の角度が急であるため、週の初めには一時的な上昇を見せてもおかしくありません。
その際に、安値のラインが上値として機能するようであれば、強い下落が見込めます。
もしも、上値を更新して上昇するようであれば、再度レンジ継続の可能性もありそうです。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のUSD/JPY相場は、以下のようなファンダメンタルズ要因での動きが見られると考えています。
- アメリカの9月利下げに対する市場の反応
- 金曜発表の米7月個人消費支出の影響
月末ということで重要指標は少なめです。
しかし、23日金曜にジャクソンホールでのFRB議長による利下げ示唆の話題は大きく影響すると見ています。
9月にアメリカが利下げに転じると確実視されているので、ドル売りが週明けすぐに発生してもおかしくないと言えるでしょう。
週明けから即大きな価格変動になる可能性もあり、窓も大きくなりそうなので注意です。
また、週末金曜の7月個人消費支出にも注意してください。
週を通して米ドルでの動きが活発になると見ています。
EUR/JPYの振り返り
EUR/JPY30分足の様子です。
こちらもUSD/JPYと同様に週を通してレンジ相場を形成しました。
価格変動の流れは以下の通りです。
- 週初めには一時的に円安が加速して163円台まで上昇
- 週の半ばから後半にかけては目立った動きがなく、161円~162円台後半でレンジ形成
- 週後半に日銀総裁の発言で円買い進むも、ユーロの買いも見られ大きな下落にはならず
週の初めにはまず円が大きく売られました。
USD/JPYと同様に大きく下落した反動とも言えるでしょう。
160円台で推移していた価格も一気に163円台まで上昇を見せました。
V字型に大きな価格変動を見せましたが、上昇が続くことはなく週の半ばにかけてレンジを形成した形です。
161~162円台後半の価格帯が強く意識されました。
週の後半金曜日に入ると、円の買いが強くなり下落を見せます。
しかし、ユーロの買いが依然として強かった影響もあり、そこまで大きな下落には至っていません。
USD/JPYは安値を更新して終値を付けましたが、EUR/JPYはレンジ内での下落に収まっています。
今週のポイント(テクニカル)
今週のEUR/JPYの相場をテクニカル面から分析します。
以下は、EUR/JPY4時間足の動向を示したチャートです。
4時間足で見ると、EUR/JPY相場は安値圏から徐々に反発していることが分かります。
しかし、大きな上昇ではなく直近ではレンジ形成の状態と言えるでしょう。
高値では前回7月24日に付けた164.9円が意識されると見ています。
安値は直近の160.4円台の価格帯が意識されると考えて良いでしょう。
今後は、どちらの方向にブレイクして最初にラインを更新できるかが重要になります。
チャートの形状的には下目線の相場ですが、ユーロの買いがトレンド形成を妨げている状態です。
今週までは現在の価格帯でレンジを形成する可能性が高いと見ています。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のEUR/JPYに関するファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。
- 日銀の動向による円での変動
- EUの消費者物価指数の結果
- 米利下げ示唆に伴う相対的なユーロでの動き
まず、円での動向に注目しましょう。
日銀の発言や動向で円の売買が強く出るので、引き続き今週も警戒です。
また、今週はユーロ単体での動きも目立つのではないかと見ています。
ECBは6月に利下げに踏み切っていますが、追加利下げに関しては慎重です。
アメリカのように利下げを急いでいないことから、相対的なユーロ高が続いています。
今週はEUの消費者物価指数も発表されるので、ユーロ単体での売買に大きな影響を与えるでしょう。
EUR/USDの振り返り
EUR/USD相場を振り返ります。
EUR/USD30分足のチャートです。
週を通して強い上昇が目立ちました。
以下のような要因で価格が変動しています。
- 週前半から後半にかけてユーロの買い・ドル売りが強い相場
- 週半ばから後半にかけてはレンジ気味に推移
- 8月23日に米利下げ観測から高騰
週全体で見ても、ユーロ買い・ドル売りの強い相場となりました。
ユーロでは利下げを急いでいない方針のため、相対的なユーロ高が続いている状況です。
ユーロの買いとともに高値を更新する上昇トレンドを形成しています。
週の半ばから後半にかけては売買も落ち着き、高値圏でレンジを形成しました。
しかし、8月23日には米利下げが確実視された影響でドルの売りが加速し、再度高値を更新して終値を迎えています。
今週のポイント(テクニカル)
今週のEUR/USD相場をテクニカル面で分析します。
以下は、EUR/USDの日足チャートです。
現在のEUR/USDは、2023年12月に付けた高値を更新しています。
次は2023年7月に付けた1.127ドルあたりの価格帯が意識されそうですが、まだ値幅が大きいので短期的には更新してこないでしょう。
まずは、現在価格付近での動きが重要になってきます。
上目線の継続と考えていますが、角度の急な上昇となったため、一時的な下落の可能性もありそうです。
その場合、チャート上に示した赤いラインの1.1137ドルが押し目となって機能するかが重要となります。
また、仮に週の最初に再度上昇した場合であっても、今後下落する際には起点となる価格帯になりそうです。
月末ということもあり、現在高値でのレンジを形成する可能性もあるので注意しましょう。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のEUR/USDに関連するファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。
- 過度なユーロ高・ドル売りに対する調整が入るかどうか
- EUの消費者物価指数の動向
- FRBの利下げ方針に関する市場の反応
ECB・FRBとどちらも利下げサイクルに入っていますが、方針自体は全く異なります。
現在のユーロ高・ドル売りを形成した要因です。
しかし、過度な上昇は市場でも懸念されており、今後調整がどこで入るかも注目する必要があります。
また、今週はEUの消費者物価指数もありますが、市場予想とインフレの改善の違いがユーロの売買に影響を与えそうです。
まとめ
USD/JPY→直近安値である144.88円台の価格を下抜けしている状態。一時的な上昇で反発すれば再度下降トレンド形成も見込める
EUR/JPY→安値は直近の160.4円台の価格帯が意識される可能性が高い。今週はレンジで推移する可能性もあり。
EUR/USD→2023年12月の高値を更新している。基本的には上目線だが、指標や調整の影響を受ける可能性あり。
今週で8月最終週になりますが、FRBの利下げ示唆の影響が市場に大きな影響を与えそうです。月末ではありますが、ボラティリティが高い相場になる可能性もあるので、引き続き警戒しましょう。