8月最終週の為替相場を振り返ります。
8月全体の相場も含めて見ていきましょう。
USD/JPYの振り返り
USD/JPY相場を8月最終週含め1か月間の振り返りを行います。
以下は、8月5日〜8月30日までのUSD/JPY1時間足の様子です。
大まかな相場の流れは以下の通りです。
- 8月初週には徐々に投機筋の米ドル買いが強まるも、雇用統計の影響で下落
- 8月中旬にかけて米指標や日銀総裁の発言が影響し円安ドル高が進む
- 8月後半にはジャクソンホールにてFRB議長の会見での利下げ示唆からドル売り進む
- 8月末にかけては調整相場となり再度上昇傾向
まず、8月の最初ですが雇用統計の影響で一気に下落しました。
しかし、下落は一時的なもので8月中旬にかけては上昇トレンドを形成しています。
8月16日には149円台までの大幅な上昇を見せました。
その後、8月後半にかけては再度下降トレンドが形成されます。
ジャクソンホールでのFRB議長の発言で9月の利下げが示唆されたことが影響していると言えるでしょう。
8月後半はそれほど大きい動きこそありませんでしたが、週末にかけて調整相場となり146円台で終値を迎えた形です。
今週のポイント(テクニカル)
続いて、USD/JPY相場をテクニカル面から分析します。
以下は、USD/JPYの30分足の様子です。
30分足で見ると、USD/JPYは上昇トレンドを形成していることが分かります。
今週から9月のスタートということで、相場の方向性はガラリと変わる可能性も高いので注意です。
現在は高安値を切り上げている最中ですが、ラインが意識されなくなる可能性もあるでしょう。
短期的な目線で見ると、まず直近の高値ラインに注目です。
8月後半に付けた146.5円台あたりの価格が強く意識されるのではないかと見ています。
週の前半に上昇して、このラインを超えるようであれば、まだ上目線での相場が続きそうです。月初めは思わぬ形での変動が多くなる週でもあるので、くれぐれも注意して取引しましょう。
今月のファンダメンタルズ要因
続いて、9月のUSD/JPY相場に関するファンダメンタルズ的要因をまとめています。
- 9月6日、米国雇用統計
- 9月9日、日本国内総生産
- 9月11日、米CPI発表
- 9月18日、FOMC
まずは今週金曜の雇用統計に注目です。
アメリカは経済悪化が続いている影響で雇用統計時の米ドル売りが強まっています。
今週も大きく動く要因になるでしょう。
また、日本の国内総生産などの指標にも警戒してください。
最も注目すべきは9月18日のFOMCです。
FRBでの利下げが実施される方針となっており、大きく相場が動く可能性があります。
また、月末にかけては指標も少なくなりますが、11月に実施される米大統領選での影響も強まると考えて良いでしょう。
相場の急変動に警戒してください。
EUR/JPYの振り返り
EUR/JPYの8月相場を振り返ります。
以下は、8月5日〜8月30日までのEUR/JPY1時間足チャートです。
相場の大まかな流れは以下の通りです。
- 8月前半に円売り、ユーロ買いが加速し上昇
- 米ドル売りからの相対的なユーロ買い進む
- 8月中旬に円売り加速で高値を付けるもすぐに反発
- 8月後半にかけてはユーロの買いが落ち着き下降気味に推移
8月初週に円買いの影響で154.4円台まで大きく下落しました。
下落後はすぐに反発を見せています。
8月の前半から中盤にかけてはユーロの買いが強く見られており、163円台後半まで上昇しました。
しかし、すぐに調整相場に切り替わったため、そのまま反発を見せています。
8月後半に入ると徐々に平均値が落ち始めて、レンジ気味に推移しました。
高安値は切り下がっており、若干の下降相場です。
今週のポイント(テクニカル)
今週のEUR/JPY相場をテクニカル面から分析していきます。
EUR/JPY30分足の様子です。
30分足で見ると平均値の大きいレンジ相場を形成しているように見えます。
上昇・下落が強く出ていないので、相場の方向性が明確ではないと言えるでしょう。
今週はまだ現在価格でのレンジが形成されるのではないかと見ています。
レンジ期間が長くなった週末にかけてブレイクし、相場の方向性が決まると考えて良いでしょう。
しかし、終値である161.63あたりの動向には注目です。
黒〇で囲んだポイントを見ても分かるように、すでに2回の反発を見せていることから、意識されている価格帯と捉えられます。
この価格帯を早急に上抜けするようなことがあれば、上昇の力が強まる可能性が高いでしょう。
今月のファンダメンタルズ要因
続いて、8月のEUR/JPY相場に関するファンダメンタルズ的要因をまとめています。
- 9月6日、ユーロ圏GDP確定値
- 9月12日、欧州中銀政策金利
- 9月19日、英中銀政策金利の影響
上記全てユーロの売買に影響を与える指標です。
中でも特に注目は欧州中銀の政策金利になります。
ECBはすでに利下げを実施していますが、早期で大幅な利下げはないとしています。
慎重な姿勢を示しており、9月会合での利下げは可能性として低いでしょう。
また、国として密接な関係にある英中銀の政策金利の影響にも注目です。
8月はユーロ高が強い相場でしたが、インフレ率や中銀の動き次第で転換もあり得るでしょう。
EUR/USDの振り返り
今月のEUR/USD相場を振り返ります。
以下は、8月5日〜8月30日までのEUR/USD30分足チャートです。
相場の流れは以下の通りです。
- 月の前半から中盤にかけてユーロ買いドル売りが強く上昇トレンド形成
- 8月後半にはドル売りが継続もユーロ買いが落ち着き下落傾向へ
ユーロと米ドルで全く異なる動きになりました。
8月は全体を通してユーロの買いが強い相場が続きます。
また、米ドルは経済悪化や早期利下げの懸念からドル売りの強い相場となりました。
8月の後半に入るまで上昇トレンドが形成されています。
しかし、8月も後半に入ると上昇トレンドが徐々に転換し始めました。
ドル売りは依然として継続するもユーロの買いが落ち着いてきた形です。
月末ならではの調整も影響し、月末にかけては下落傾向の相場になりました。
今週のポイント(テク二カル)
今週のEUR/USD相場をテクニカル面で分析します。
EUR/USDは4時間足で見ています。
現在は上昇トレンドが落ち着いている状態です。
次に下落する場合は、赤いライン3つでの価格帯が重要になってくると考えられます。
意識される価格帯と考えて良いでしょう。
仮に、1.0944あたりの価格帯まで下落して下抜けすれば、完全に上昇トレンドが切り替わったと判断できます。
しかし、赤いラインのどこかで反発を見せてくれば、上昇トレンド過程での押し目として機能すると考えられるでしょう。
その場合は、再度高値への挑戦や更新もあり得ます。
今月のファンダメンタルズ要因
続いて、8月のEUR/USD相場に関するファンダメンタルズ的要因をまとめています。
- 9月6日、ユーロ圏GDP確定値
- 9月12日、欧州中銀政策金利
- 9月6日、米国雇用統計
- 9月11日、米CPI発表
- 9月18日、FOMC
今週金曜は、雇用統計だけでなくユーロ圏でのGDP確定値にも注目です。
週前半は停滞する可能性がありますが、後半に一気に動く可能性があります。
また、今月はFRBとECB双方での政策金利に注目です。
FRBでは利下げの開始、ECBでは据え置き予想と、両者ともに利下げサイクルに入っていると言えど、異なる方針が見られます。
投資家心理に大きな影響を与える可能性が高く、金利動向や総裁の会見内容で相場方向が確定するでしょう。
まとめ
USD/JPY→9月FOMCで利下げが開始される可能性大。円での動き次第では更なる下落もあり得る。
EUR/JPY→円買いの影響は出るも、月を通してユーロ買いの強い相場。9月はユーロ単体での動きに警戒。
EUR/USD→ユーロ買い、米ドル売りによる上昇トレンド形成。双方の政策金利に注目。
8月も終わり、いよいよ9月のスタートです。
各国での金融政策が大きく相場に影響するので、今月も注意して取引しましょう。
また米大統領選も近づいていることから、米ドル含むメジャー通貨全体での急変動にも注意してください。