9月2週目の為替相場を振り返ります。
チャート上には、複合型移動平均線のGMMAを表示しています。
USD/JPYの振り返り
USD/JPY30分足の様子です。
USD/JPY相場は、以下のような要因で変動しました。
- 週始め:目立った売買材料なく142円~143円後半で停滞
- 9月11日:日銀の追加利上げ観測により大幅下落
- 9月11日には米CPI発表も目立った変動なし
- 週後半には、来週のFOMCで0.25%ではなく0.50%の大幅利下げ観測から大幅下落
週の始めは目立った動きがなく停滞した相場が続きました。
11日に控えていた米CPIを懸念した相場であったと言えるでしょう。
11日のCPIよりも前に相場が動くことになります。
日銀の追加利上げが観測されたことで、一時年初以来の140円台に突入しました。
その後のCPIではサプライズ感の薄い結果になったことで、目立った動きは見せていません。
週後半になると下落後の調整からか、一時的に142円台まで戻しました。
しかし、週末金曜には来週のFOMCで0.25%ではなく0.50%の大幅な利下げになる可能性が示唆され、一気にドル安が進んでいます。
140円台で終値を迎える結果となりました。
今週のポイント(テクニカル)
今週のUSD/JPY動向をテクニカル面から見ていきます。
以下は、USD/JPY日足のチャートです。
現在のUSD/JPYは、年初からの上昇後で急落していることが分かります。
過度な上昇であったことから、少しの材料でこのような下げ幅となりました。
最高値は160円台であったのに対して現在価格は140円と大幅な下落です。
現在の140円台は、黒〇を見ても分かるように年末~年初に付けた意識される価格帯です。
今後は、このラインを更新できるかが重要になってくるでしょう。
売買の材料は充分にあるので、更新してきてもおかしくはないです。
仮に現在価格の140円台を下抜けすれば、次の安値目途は2023年7月に付けた138円台になると見られます。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のUSD//JPY相場は、以下のようなファンダメンタルズ的要因に注意すべきです。
- 9月18日のFOMCによる影響
- 週始めは日本が祝日のため、火曜からの売買集中
- FOMC前ならではである投資家達の様子見による停滞懸念
今週はなんといっても9月18日のFOMCが強く意識されます。
長きにわたり高金利政策を続けてきたアメリカですが、今回の会合でついに利下げに踏み切る見通しです。
0.25%の利下げとされていますが、先週には0.50%の大幅利下げに踏み切るとの情報も出ており、さらに注目が集まっています。
また、FOMC後のパウエル議長の発言次第で相場の方向性が決まる可能性もあるでしょう。
日本は月曜が祝日となっているので、火曜からの大きな変動にも注目です。
EUR/JPYの振り返り
次に、EUR/JPYの振り返りを行います。
以下は、EUR/JPYの30分足チャートです。
EUR/JPY30分足の様子です。
EUR/JPYは以下のような要因で変動しました。
- 週始めは157~158円台でレンジを形成
- 週半ばには日銀追加利下げの可能性から円買い加速
- 週後半にECBは追加利下げも大きな反応はなく停滞
週の始めは目立った売買も見られず、157〜158円台でのレンジを形成しました。
週の半ばになると、日銀の追加利上げの可能性が市場に広まり大きく下落します。
一時は155円半ばまで下落を見せています。
市場予想通りであったことから、サプライズ感が薄く売買の起点にならなかったと言えるでしょう。
その後は、ECBの追加利下げなどが話題になりましたが、市場の反応は薄く反発したポイントで価格が停滞しました。
今週のポイント(テクニカル)
今週のEUR/JPY相場をテクニカル面で分析していきます。
EUR/JPYは4時間足でチェックしていきます。
全体的な流れとしては、現在のEUR/JPYは下目線での相場が形成されている状況であると言えます。
現在は下落から反発して、ソーサ―トップを作って安値に挑戦中です。
ドル円の場合は既に安値に到達していますが、ユーロ円の場合はユーロ買いも見られることで、ドル円に比べて小さな下落幅です。
今後は、直近安値である155.4円台に挑戦して、どのように更新してくるかが重要になるでしょう。
一時的に大きく下落する場合であれば、まだ反発してくる可能性もあり得ます。
しかし、徐々に下落してじわじわと安値を更新すれば、次は155.4円以下の価格帯で下降トレンドを形成してきそうです。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のEUR/JPY動向に影響しそうなファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。
- 前週の利下げや、今後の追加利下げに関する情報
- 18日のEU消費者指数改定値の影響
- 9月20日の日本の消費者物価指数による金利の観測
ECBでは先週2会合ぶりの利下げとなっています。
今週も引き続き金利動向に関する影響を懸念しましょう。
追加利下げのペースが思った以上も早いと判断されれば、ユーロの売りを招いてもおかしくありません。
また、ユーロは全体を通してそれほど売りが強くないですが、昨今の下落は円の買いが影響しています。
20日金曜には日本の消費者物価指数が発表されますが、さらにインフレ懸念が残る内容であれば、円の買いが再度進行して大きく下落する可能性もあります。
EUR/USDの振り返り
最後に、EUR/USDの振り返りを行っていきます。
以下は、EUR/USD30分足の様子です。
EUR/USDは以下のような要因で変動を見せました。
- 週始めはドル買い、ユーロ売りが若干見られ下落気味に推移
- その後は安値圏でレンジを形成
- 9月11日には米CPIの影響で一時的に下落
- 週後半は米大幅利下げの可能性によりドル売り加速で上昇
週の始めは、若干ドルの方が強いということもあり下落気味に推移しました。
平均値自体は小さいものの、相関が揃ったことで下落幅は比較的大きめです。
その後は変動も落ち着きレンジを形成します。
9月11日に入ると米CPIの影響で一時的に急落しますが、下落は長く続きません。
ECBの利下げもありましたが、特に影響を受ける事はなく大きく上昇します。
FRBでの大幅な利下げがあるとの報道から一気にドルが売られ、上昇したまま終値を迎えています。
今週のポイント(テクニカル)
EUR/USDのテクニカル面での分析を行います。
以下は、EUR/USD1時間足のチャートです。
EUR/USDを1時間足で広く見ると、現在はレンジを形成している状況と判断できます。
一時は上昇の方が強かったですが、ユーロも売られる場面があったことで均衡している状態です。
まず、直近の価格に目を向けると、現在価格付近では上ヒゲが頻発していることが分かります。
ドル売りの強い状況とは言えども、まだショート勢の勢いは充分にあると言えるでしょう。
まずは現在価格を明確に更新できるかが重要です。
仮に上昇してきた場合は、次の上値目途が前回高値の1.1120あたりになると考えています。
まだ目線がはっきりしない状況なので、警戒してポジションを保有しましょう。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のEUR/USD相場に影響を与えそうなファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。
- FOMC前後での相場変動
- ECB利下げの影響
FOMCが最も注目されますが、FOMC前の変動にも警戒してください。
投資家が様子見に入ることで、停滞した相場が続く可能性があります。
FOMCでは0.25%の利下げ予想ですが、先週には0.50%の利下げに踏み切る可能性も報道されており、ドル売り加速に繋がるかもしれません。
また、ECBでは先週追加利下げに踏み切っていますが、今後の利下げについて報道があれば都度動く可能性があります。
突発的な動きになる可能性が高いので注意しましょう。
まとめ
USD/JPY→全体を通して円買いが強く下落気味。FOMC次第では更なる下落の可能性も。
EUR/JPY→ECBは利下げも影響少ない。安値を明確に更新できるかが重要。
EUR/USD→週後半にドル売りの影響で上昇。FOMCで再度更新する可能性あり。
全体を通して活発な変動になっています。
今週はFOMCの影響が特に重要視されており、利下げ幅次第ではドルの売りが加速しそうです。
報道による突発的な変動にも注意して、取引を続けていきましょう。