9月3週目の為替相場を振り返ります。
1週間の振り返りと、今週の見通しを見ていきましょう。
USD/JPYの振り返り
USD/JPY相場の1週間を振り返ります。
以下は、USD/JPY30分足のチャートです。
全体的に上昇トレンドを形成した形です。以下のような流れで変動しました。
- 週初めはドル買い、円売りが強く上昇傾向に
- 9月19日のFOMCで大幅利下げも追加利下げには慎重な姿勢からドル買い進む
- 9月20日日銀会合で据え置きが決まり円売り加速
週始めから徐々にドル買い、円売りが進んでいました。
前の週には一時的に139円台に突入したこともあり、週明けすぐは調整の影響もあったと言えるでしょう。
今回は9月19日(米時間18日)のFOMCに最も注目が集まっていました。
0.25%か0.50%の利下げで市場の意見は分かれていましたが、結果的に0.50%の大幅利下げとなっています。
そのため、初動では大きくドル売りが進みましたが、FRBは今後の追加利下げは小幅な方針を示したことで大きく上昇しました。
また、週末金曜日の日銀会合でも据え置きが決まったことで円売りが加速して上昇しました。
今週のポイント(テクニカル)
今週のUSD/JPY相場をテクニカル面で分析していきます。
以下は、USD/JPYの1時間足チャートです。
30分足で見ると大きく上昇しているように見えましたが、1時間足で見ると安値圏で停滞しているとも判断できます。
ただし、安値からの転換をする勢いで上昇してきているので、確実に下降トレンドが再度出てくるとは言い切れません。
明確な相場の方向性は判断が難しいですが、現在価格での動きが重要になってきそうです。
赤い〇で示した現在価格は、前回の高値として機能するポイントです。
このラインを明確に更新してきた場合は、一時的な上昇に転じてもおかしくありません。
また、仮に現在価格で持ち合って下落するようであれば、再度安値への挑戦を見せてきそうです。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のUSD/JPYに重要なファンダメンタルズ的な要因を見ていきます。
- 9月23日(月)の米PMIによる影響
- 9月26日(木)のパウエル議長の発言
- 9月27日(金)米個人消費支出の影響
9月も終盤に差し掛かっていますが、まだまだ重要指標が多いです。
まずは月曜の米PMIの影響に注意してください。
月曜は先週に引き続き日本が祝日のため、日中はボラティリティは低下→夕方〜夜にかけて極端な動きを見せる可能性があります。
また、26日のパウエル議長会見や金曜日の個人消費支出など、アメリカ関連の指標に警戒して取引を行ってください。
EUR/JPYの振り返り
今週のEUR/JPY相場を振り返ります。
以下は、EUR/JPY1時間足のチャートです。
EUR/JPYは以下のような要因で変動しました。
- 週初め~週半ばにかけてユーロ買いが強く上昇
- 同時に円売りも見られ相関が揃い上昇トレンド形成
- 9月20日の週末に日銀会合据え置きで円安加速
こちらも上昇トレンドを形成しています。
週初め〜週半ばにかけてユーロの買いが加速しました。
米市場の不安定さからメジャー通貨であるユーロへの投資が集中した形と見られています。
同時に円の売りも加速した影響で、週後半にかけて上昇トレンドを形成しました。
また9月20日には日銀会合の影響で円安が加速して大きく上昇しました。
週の前半は155円台で推移しましたが、1週間をかけて161円台まで大きく価格を戻しています。
ユーロ買い、円売りの影響が強く出たと言えるでしょう。
今週のポイント(テクニカル)
今週のEUR/JPY相場をテクニカル面から分析します。
以下は、EUR/JPY1時間足の様子です。
USD/JPYに比べて上昇幅が大きいので、転換している最中とも判断できます。
まず、仮に上昇トレンドがこのまま形成されるのであれば、一時的な反発後に押し目を作ってこれるかが重要となるでしょう。
赤い線で示した159.7円台が強く意識されると見ており、すぐに反発すれば161円台の直近高値を更新する上昇になり得ると見ています。
仮に下落するとなれば、158.4円台まで下落して青い〇の部分を下抜けできるかが重要です。
先週のような大きな動きには期待できませんが、下抜けした時点で安値への挑戦も見込めます。
まだ大まかな相場の方向を判断しにくい上昇なので注意してください。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のEUR/USD相場に重要となってきそうなファンダメンタルズ的要因を見ていきます。
- 9月23日のユーロ圏PMIの影響
- スイス国立銀行政策金利の影響
- 先週の円安・ユーロ高に対する市場の警戒感
今週はEUR/JPYで目立った売買起点となりそうな指標は少ないです。
まずは、月曜からの動きに注目しましょう。
23日月曜は日本の祝日ですが、17時にユーロ圏のPMIが発表されます。
ECBは追加利下げを直近で実施しましたが、経済状況の動向が注目されており、売買の起点になる可能性があります。
また、同じヨーロッパのスイス国立銀行の政策金利にも注目です。
スイスはユーロではなく独自通貨フランを採用していますが、ユーロとの相関がある通貨であるため、同じタイミングで変動を見せる可能性があります。
先週は円安・ユーロ高が強く出たということで、市場の警戒感も高まっている状況とも言えます。一気に転換してくる可能性もあるので注意して分析しましょう。
EUR/USDの振り返り
続いて、EUR/USD相場を振り返ります。
以下は、EUR/USD30分足の様子です。
EUR/USD相場は以下のような要因で変動しました。
- 週初めはユーロ買いとドル買いで均衡しレンジ形成
- 9月18日のEU消費者物価指数の影響で高騰
- 9月19日のFOMCで一時的に高騰もすぐにドル買い進み急落
- 直後にユーロ買いが強まり上昇傾向に
- 週後半にかけて高値圏で推移
週の初めは、ユーロ買いとドル買いで均衡します。
目立ったトレンドは形成されずに週の半ばまで推移していきました。
9月18日にはEU消費者物価指数、19日にはFOMCと注目指標が重なりますが、上昇下落を繰り返す結果となりました。
週後半にかけてはユーロの買いが再度見られており、高値圏で推移しています。
一時的に大きく動くこともありましたが、結果的にユーロ高ドル安の強い相場です。
今週のポイント(テクニカル)
今週のEUR/USD相場をテクニカル面で分析します。
以下は、EUR/USDの1時間足チャートです。
EUR/USDを1時間足で見ると、上昇トレンドを形成している最中と言えます。
まずは、黒い枠の部分に注目しましょう。
レンジの形成したポイントが前回の高値付近であるため、意識される価格帯であると考えられます。
また、赤い〇のポイントを見ても分かるように、前回高値付近で反発していることから、この価格帯を抜けてこれるかどうかが重要になるでしょう。
もしも、意識される価格帯を下抜けするようであれば、一気に相場が下目線になる可能性もあります。
1.10ドル〜1.15ドルの間で停滞するうちは相場の方向性も掴めませんが、いち早くどちらかの方向に抜けてくると方向性が決まってくるでしょう。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のEUR/USD相場に影響を与えそうな、ファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。
- 9月23日(月)の米PMIによる影響
- 9月23日のユーロ圏PMIの影響
- 9月26日(木)のパウエル議長の発言
- 9月27日(金)米個人消費支出の影響
月曜は、先にユーロ圏、その後アメリカのPMIが発表されます。
週明けすぐに動く可能性が高いでしょう。
先週に上昇トレンドを形成した状態で終値を迎えたので、反発してくる可能性も充分あり得ます。
また、今週はパウエル議長の会見や米個人消費支出など米ドル起点で相場が動きそうです。
現在はユーロ買いが強く見られますが、米ドルの変動が大きく影響すると見られるので、相関性に注目しましょう。
まとめ
USD/JPY→FOMC後の日銀会合で円安加速。直近高値を更新すれば上昇の余地あり。
EUR/JPY→週を通して円売り、ユーロ買いが強い相場。159.7円台で反発すれば押し目を付けて上昇する可能性あり。
EUR/USD→FOMCや欧CPIで一時的な変動も全体通して上昇傾向。1.10ドル〜1.15ドルの価格帯が意識されるため、いち早く抜けた方にトレンド形成の可能性。
9月も後半に差し掛かっており、徐々に平均値が下がる可能性も考えられます。
機関投資家の売買も活発になる可能性があるので、突発的な動きに警戒していきましょう。
報道による突発的な変動にも注意して、取引を続けていきましょう。