9月4週目の為替相場を振り返ります。
9月4週目は週後半にかけて各通貨で大きな動きが見られました。
動いた要因と今後の見通しを解説します。
USD/JPYの振り返り
USD/JPY30分足の様子です。
以下のような流れで相場変動が見られました。
- 週の前半は米ドルと円が均衡してレンジ形成
- 週半ば~後半にかけて円売りが強くなり上昇
- 9月27日に日本の総裁選結果を受け円高になり142円台まで大幅下落
週の前半は月末相場らしくレンジ気味に停滞しました。
目立った売買材料がなかったことが要因と言えるでしょう。
しかし、週の半ばから後半にかけては徐々に上昇へ転じます。
総裁選を前に先行した投資家の円売りが影響したと考えられるでしょう。
結果、総裁選前までには146円台まで円安が加速しました。
大きく動いたのは9月27日(金)の自民党総裁選を受けてからです。
新総裁に石破氏が決定しましたが、決定したタイミングで円の買いが加速します。
142円台までの大幅な下落を見せていますが、総裁選が終了した後も反発をすることなく下落方向に転じたまま終値を迎えました。
今週のポイント(テクニカル)
USD/JPY相場の今週のポイントをテクニカル面から見ていきます。
以下は、USD/JPY1時間足の様子です。
1時間足の直近で見ると、USD/JPYは上昇相場が一気に転換したことが分かるでしょう。
なお、下落した後の現在価格は、赤い○を見ても分かるように強く意識される価格帯です。
今後は、まず直近安値である142円台を割って141円台に入れるかどうかが重要になってきそうです。
また、今回は総裁選結果を受けての下落であったこともあり、急落後の反発も見られる可能性があります。
反発をした場合でも再度円買いの進行は充分予想できる範囲です。
ラインを下抜けしてくれば、更なる下落もあり得るでしょう。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のUSD/JPY相場に影響しそうなファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。
- 石破新総裁の方針や発言などによる変動
- 9月30日のパウエルFRB議長の発言
- 10月4日の米国雇用統計での変動
まずは、新総裁となった石破氏の方針や発言などに注目です。
積極的な利上げを方針として打ち出しており、円高の材料は多くあると考えています。
9月30日月曜日はパウエルFRB議長の会見も予定されており、年内の追加利下げに関する動向が注目されます。
また、今週から10月のスタートということで、金曜には雇用統計が発表されます。
米ドル、日本円の両方で大きな動きになる可能性が高いでしょう。
EUR/JPYの振り返り
EUR/JPYの1週間を振り返ります。
EUR/JPY30分足の動向です。
以下のような流れで相場が変動しました。
- 週初めはユーロの買いが強く上昇傾向に
- 週後半にかけて円安が加速し163円台まで上昇
- 9月27日の総裁選の結果を受けて158円台まで大幅下落
週の最初は円での目立った動きこそ見られませんでしたが、ユーロの買いが強かったこともあり上昇傾向です。
週半ばに入ると円の売りも加速し始めたこともあり、一気に163円台までの大幅な上昇を見せました。
しかし、9月27日の総裁選の結果を受けて大きく反発します。
総裁選の結果が出た瞬間から円高が加速し、一気に158円台までの大幅な下落を記録しました。
終値にかけても反発することはなく、下落したまま終値を迎えています。
今週のポイント(テクニカル)
今週のEUR/JPY相場をテクニカル面で分析していきます。
以下はEUR/JPY1時間足の様子です。
EUR/JPYは、USD/JPYと同様に上昇相場から反転していると判断できます。
上昇目線の相場が一転して下目線に切り替わったと考えて良いでしょう。
今週から10月スタートのため、相場の方向性は不規則ですが、下落方向に向かうのではと考えています。
赤い○を見ても分かるように、現在価格は前回から意識される安値の価格帯です。
次の安値目途は青い○の157.3円台になると見ています。
急落相場のため、こちらも一時的な上昇を見せる可能性もありますが、すぐに下抜けすれば強い下落のチャンスです。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のEUR/JPY相場で重要になってきそうなファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。
- 新総裁の発言や政策での反応
- 10月1日の四半期大企業製造業業況判断
- 10月1日のEU消費者物価指数の結果
クロス円はすべて、先週決まった石破新総裁の方針や発言等が強く影響してくると考えられます。
週明けの月曜日から窓を付けてくる可能性もあるので注意してください。
また、火曜日には四半期大企業製造業業況判断が注目されており、円での変動が大きくなってきそうです。
同日の18時には、EUの消費者物価指数が発表されます。
今年に入って2回の利下げを実施しているEUですが、物価の上昇が押さえられていると判断されれば、追加利下げの可能性からユーロの売りが増してもおかしくはないです。
今週はユーロの動向よりも円単体での動きに特に注目してみてください。
EUR/USDの振り返り
続いて、EUR/USD相場を振り返ります。
以下は、EUR/USD30分足の動向です。
EUR/USDは以下のような要因で変動を見せました。
- 週前半はユーロ買いが強く上昇傾向に
- 9月25日に米指標の結果を受けてドル買い加速で下落
- 週後半にかけて上下に大きく動くが、目立ったトレンドはなく終値を迎える
週の前半はユーロに買いが集中しており、上昇トレンドが形成されました。
週前半はドルでの売りも見られており、相関が揃った形と言えるでしょう。
しかし、9月25日に米住宅販売件数の指標発表から一気にドル買いが加速して、大きく下落しました。
週の後半にかけては、日本の総裁選等の影響も受けつつ大きく変動しますが、反発も早かったため、目立ったトレンドが形成されずに終値を迎えています。
今週のポイント(テクニカル)
今週のEUR/USD相場をテクニカル面で分析します。
EUR/USD1時間足の様子です。
現在の相場を1時間足で見ると、EUR/USDは安値が切り上がっている上昇トレンドの過程にあると言えます。
全体を通してドルの弱い動きが続いており、反面ユーロは堅調に推移していることが原因です。
全体的には上目線と考えて良いですが、トレンドラインを大きく割って来ると転換も充分考えられるポイントと見て良いでしょう。
黒枠あたりの高値圏を維持できれば、再度高値へ挑戦後に更新する可能性も充分あります。
不確定要素の方が多いので、EUR/USDは特に注意して取引した方が良さそうです。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のEUR/USD相場のファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。
- 月曜のパウエルFRB議長の会見
- 火曜のEU消費者物価指数の動向
- 金曜の米国雇用統計の影響
週明けの月曜にはFRB議長の会見が強く意識される可能性があります。
年内残り少ないFOMCの動向次第で、今年のEUR/USD相場は方向性が定まってくると考えて良いでしょう。
火曜からは10月のスタートとなりますが、いきなりEU消費者物価指数の指標に警戒です。
追加利下げの動向が強く意識されるため、大きく動いてくることが予想されます。
また、金曜には米国雇用統計もあるので、全体を通して米ドルでの動きが強いと考えています。
指標で現在の上昇トレンドが一気に転換する可能性もあるので注意してください。
まとめ
USD/JPY→上昇傾向も総裁選の影響で大きく下落、直近安値を更新できれば、さらに下落する可能性。
EUR/JPY→ユーロ買い強く上昇も金曜に転換。157.3円台が次の安値目途となる。
EUR/USD→全体的には上目線の相場だが、今週の指標の影響で転換の可能性あり。
日本の総裁が決定して、次は11月の米大統領選に注目が集まると考えられます。
まだ突発的な変動の可能性は充分あるので、警戒して取引を続けていきましょう。