米雇用者数,9月は全予想上回る【10月7日週刊レポート】

10月1週目の為替相場を振り返ります。

新総裁の発言や中東情勢、雇用統計の影響もあり大きな相場変動が見られました。

変動要因や今後の見通しを見ていきます。

USD/JPYの振り返り

USD/JPY30分足の様子です。

以下のような要因で為替相場が変動しました。

  • 9月30日→石破首相就任の影響で日銀利上げ継続観測から下落
  • 10月1日→大幅下落の反動から反発
  • 10月2日→石破首相が利上げに慎重な発言をして上昇
  • 10月5日→雇用統計が市場予想を大きく上回りドル買い進む

9月27日には、新総裁として石破氏が就任決定したことで円高が進んでいました。

9月30日(月)は週明けですが、前週の動きが継続した形です。

石破氏は利上げに積極的な方針を打ち出していたこともあり、一気に円高が加速しました。

10月1日にかけては大幅下落の反動もあり、小幅反発を見せます。

相場が大きく動いたのは10月2日です。

利上げに積極的な姿勢と捉えられていた石破氏ですが、日銀植田総裁との会談後に利上げには慎重な姿勢を見せました。

市場の失望感とともに147円台まで円安が加速します。

その後は10月4日まで停滞を見せますが、雇用統計で市場予想を大きく上回ったこともあり、一気にドル買いが進み上昇しました。

149円台付近までの大幅上昇で終値を迎えています。

今週のポイント(テクニカル)

今週のUSD/JPY相場をテクニカル面から分析していきます。

USD/JPY相場を4時間足で表示しています。

現在の価格動向は、大幅な下降トレンドの後にレンジを形成し、現在にかけては上昇傾向です。

安値圏から転換を見せている状況と言えるでしょう。

直近では急激な上昇を見せているため、一時的には反発する可能性があります。

その場合は、青い○のポイントである147.1円台の価格が重要になってくるでしょう。147.1円台で反発すれば上昇トレンド継続、下回ってくれば再度レンジ内を推移すると見ています。

次の高値目途は149.4円台です。

8月に付けた高値であり、強く意識される価格帯であると見ています。

現在価格との差がほとんどないので、充分に更新してくる可能性はあります。

基本的には上目線ですが、突破的な変動も考えられるのでポジションを保有する際は注意してください。

今週のポイント(ファンダメンタルズ)

今週のUSD/JPY相場に影響しそうなファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。

  • 週全体→中東情勢悪化の懸念
  • 週全体→石破首相、植田日銀総裁の金利に関する言及
  • 10月9日→FOMC議事要旨の影響
  • 10月10日→米消費者物価指数の影響

まず、現在は中東情勢の悪化が懸念されているため、週全体で警戒する必要があります。

アメリカの動向次第では相場変動に大きく影響するでしょう。

また、日本の重要指標はありませんが、石破首相や日銀植田総裁の金利に関する言及は注意です。

解散総選挙も近いことで、円安等に関する発言も出てくる可能性があります。

今週は米指標に注目で、10月9日のFOMC議事要旨や10日の米消費者物価指数に警戒です。

雇用統計で大幅なドル買いとなりましたが、11月利下げの可能性も示唆されており、インフレ率次第ではドルの売りに繋がる可能性もあります。

EUR/JPYの振り返り

EUR/JPY30分足の動向です。

以下のような要因で変動が見られました。

  • 9月30日→前週末の総裁選や日銀利上げ観測で円高進行
  • 週半ば→中東情勢の悪化に伴いリスク回避のユーロ売り進む
  • 週後半→日銀の金利据え置き観測で円安進行
  • 10月4日→雇用統計の結果を受け、相対的な円売り進む

9月30日には、前週末の総裁選結果から日銀利上げ観測となり円高が進行しました。

158.1円台まで下落しています。

その後は、徐々に反発を見せて160円台まで回復しました。

前週に大幅な下落となっていたことから、ショート勢の利益確定決済が入った影響と言えるでしょう。

週半ばには、中東情勢の悪化に伴いリスク回避のユーロ売りが加速します。

しかし、新首相の石破氏が利上げに慎重な発言をしたことが影響し、週後半にかけて大きく上昇しました。

10月4日には雇用統計の影響で相対的な円売りも見られ、結果163円台で終値を迎えています。

今週のポイント(テクニカル)

今週のEUR/JPY相場をテクニカル面で分析します。

EUR/JPYも4時間足で見ていきます。

基本的に円主導で相場が動いていることから、大まかな見通しはUSD/JPYと同じです。

EUR/JPYも現在は、下降トレンドから安値圏でレンジを形成中です。

USD/JPYの場合はレンジ幅から上方向へ抜け出しているように見えましたが、EUR/JPYはユーロ売りが強かった影響もあり上昇幅は小さいです。

今後は円安の影響で上目線に切り替わる可能性があると見ていますが、赤い線と赤い点線の価格帯が重要になってくると考えられます。

前回高値の163.8円、トレンドライン上の164.7円台を大きく上抜けしてくれば、強い上昇サインになると考えて良いでしょう。

しかし、直近のユーロ売りを考えると大幅な上昇は見込めない可能性もあるので注意してください。

今週のポイント(ファンダメンタルズ)

今週のEUR/JPY相場に影響しそうなファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。

  • 中東情勢の悪化に伴うリスクオフ、リスク回避のユーロ売り
  • 日銀、首相の金利に関する言及
  • 日本、欧州共に重要な指標はなし

まず、今週は日本、欧州共に重要指標はありません。

しかし、様々な要因で変動する可能性は高いので注意してください。

10月27日に日本では解散総選挙を控えていることから、石破首相の現在の円安に関する言及が出てくる可能性があります。

直近でも金利据え置きの示唆で円安が進行しているので、引き続き警戒です。

ユーロで動くとすると、中東情勢の悪化が大きな懸念事項となります。

イスラエル・イランと毎日のように動きがあるため、最新ニュースは常にチェックしておく必要があるでしょう。

EUR/USDの振り返り

EUR/USD30分足チャートです。

EUR/USDは、以下の要因で変動を見せました。

  • 週前半~半ばにかけて→中東情勢悪化に伴いユーロ売りが加速
  • 週半ば~後半→明確な売買材料がない、雇用統計が意識され停滞
  • 10月4日→雇用統計で市場予想を大幅に上回りドル買い加速で下落

週の前半~半ばにかけては、ユーロ売りが加速しました。

イスラエル・イランなどの中東情勢が悪化したことに伴い、市場がリスクオフになっています。

ユーロは特に大きな影響を受け、リスク回避のユーロ売りが加速した形です。

週半ばから後半にかけては目立った動きがなく停滞しました。

明確な売買材料がなかったことや、雇用統計前ということで投資家が様子見状態に入ったと言えるでしょう。

しかし、レンジではなく若干の下落傾向にあったため、ドル買い、ユーロ売りの力は若干見られました。

10月4日金曜には雇用統計が発表されましたが、市場予想を大きく上回ったことでドル買いが加速します。

週全体を通して下降トレンドを形成した1週間でした。

今週のポイント(テクニカル)

今週のEUR/USD相場をテクニカル面から分析します。

EUR/USD4時間足の様子です。

まず、青い○の価格に注目しましょう。

青い○は、8月前半、9月半ばに強く意識される価格帯でした。

先週の下落相場が大きく影響し、現在は青○の価格を既に更新しています。

ラインが機能しなくなったとも判断できますが、今後一時的に上昇してきた場合は、レジスタンスラインとして機能する可能性もあるでしょう。

次に、赤い○の価格に注目です。

1.0948ドルは、7月半ばの高値であり、現在価格付近でもあります。

この価格を明確に更新してくれば、更なる下落のサインとも判断可能です。

しかし、直近相場では急な下げとなっていることから、下落幅は徐々に小さくなる可能性もあるので注意してください。

今週のポイント(ファンダメンタルズ)

今週のEUR/USD相場で重要となるファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。

  • 中東情勢の悪化に伴うリスクオフ、リスク回避のユーロ売り
  • 10月9日→FOMC議事要旨の影響
  • 10月10日→米消費者物価指数の影響

欧州での重要指標はありませんが、中東情勢の悪化は懸念事項です。

昨今のユーロ売りを招いている要因なので、引き続き動向に注目していきましょう。

また、週末土日で戦況に大きな動きが見られれば、週明けの相場で大きな窓が出現する可能性もあります。

窓ができた際は窓埋めも意識したうえでの分析が必要です。

米ドルで見ると、9日のFOMC議事要旨、10日の米消費者物価指数に注目してください。

議事要旨では、通常のFOMCのような金利発表ではありませんが、前回FOMCで0.50%の利下げを実施していることから注目度は高いです。

また、年内で追加利下げの可能性もあるとされており、消費者物価指数の結果から米ドルの大きな変動が見られるでしょう。

まとめ

USD/JPY→石破首相のハト派姿勢や米指標の影響で上昇トレンド形成。149円台まで上昇の可能性あり。

EUR/JPY→中東情勢の悪化で一時的にユーロ売りも、円安加速で上昇。USD/JPYほどの強い上昇は見込めない。

EUR/USD→中東情勢悪化に伴うユーロ売り、米雇用統計の影響で下降トレンド形成。

1.0948ドル更新で強い下落サインになる可能性。

中東情勢の悪化が懸念され、市場はリスクオフの流れです。

このタイミングで10月には日本の解散総選挙、11月には米大統領選を控えており、不確定要素が多くなっています。

引き続き突発的な変動には注意して取引をしましょう。

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