10月2週目の為替相場を振り返ります。
価格変動の要因と、今後の見通しを見ていきましょう。
USD/JPYの振り返り
USD/JPY30分足の様子です。
主な相場変動の要因は以下の通りです。
- 週全体を通して高値圏でのレンジ形成
- 週前半→若干の円買いにより下落傾向
- 10月8日を起点に円売りが強くなり上昇傾向へ
- 10月10日の米CPIを受け一時的な変動を見せる
- 週後半→高値更新とはならず、149円台で終値を迎える
今週のUSD/JPY相場は、全体を通して高値圏でレンジを組んだ状態で推移しています。
週の前半には若干の円買いが見られました。
前の週に雇用統計があり、ドル買い、円売りとなりましたが、その反動とも言えるでしょう。
しかし、下落幅は小さく10月8日を起点に再度上昇を見せます。
10月8日以降は全体的に円の売りが強い相場となりました。
一時的ですが、10月10日には大きく動きを見せます。
10月10日には米CPIが発表され、市場予想を若干上回る結果になりました。
市場も一時的に反応しましたが、明確なトレンドとはならず、高値圏で推移した状態です。
結果、週末にかけても目立った動きはなく、149円台の円安水準で終値を迎えています。
今週のポイント(テクニカル)
今週のUSD/JPY相場をテクニカル面で分析していきます。
USD/JPYを1時間足で見ています。
全体的な変動を見ると、現在のUSD/JPYは上昇トレンドからのレンジ相場を形成中です。
大きな下落も見られないため、上昇過程で力を貯めている状態であると判断できます。
そのため、まだ相場自体は上目線であると言えるでしょう。
レンジ内でも安値が切りあがっているので、今週の上昇も充分あり得る範囲です。
直近高値である149.6円台の更新が見られれば、今週中に150円台で推移すると考えられます。
仮に下落するとすれば、下部分の赤いラインの価格(147.3円あたり)が重要になってきそうです。
また、今週も引き続き取引量が少なく、投資家たちが様子見に入る可能性もあるので、停滞した相場になる可能性も意識しておきましょう。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のUSD/JPY相場に関するファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。
- 10月14日→米、日本の祝日のため取引量が低下する可能性
- 10月15日→前日の反動による取引量増加
- 10月17日→米小売売上高の影響
- 10月18日→日本の消費者物価指数の影響
- 週全体→日本の衆議院解散総選挙や米大統領線などの不確定要素
まず、週初めの14日は日本、アメリカでは祝日となります。
その日は取引量の低下が考えられ、祝日明けの15日に一気に売買が行われる可能性があるので注意しましょう。
仮に150円台に突入するとすれば、15日以降と考えられます。
経済指標で注意すべきは、17日の米小売売上高、18日の日本の消費者物価指数です。
週全体では、米大統領選や日本の衆議院解散総選挙といった不確定要素が強く意識されるでしょう。
EUR/JPYの振り返り
EUR/JPYの相場を振り返ります。
EUR/JPY30分足の様子です。
以下のような流れで相場が変動しました。
- 週初め→若干の円買いで下落傾向に
- 週半ば→ユーロの売買が少ないが、円売り進み上昇
- 週後半→明確な売買材料がなく上昇下落を繰り返す
- 週全体→ユーロ、円の売買が均衡して高値圏でレンジ形成
週の初めはUSD/JPYと同様に円買いの影響で下落しました。
しかし、極端な円買いではなく、前の週の反動で下落した程度です。
その後、週半ばにかけては上昇傾向にありました。
目立ってユーロの買いがあったわけではなく、円での売りが少し進んだ影響です。
その後も上昇下落を繰り返しますが、目立ったトレンドはなく、レンジ相場を形成しました。
今週のポイント(テクニカル)
今週のEUR/JPY相場をテクニカル面で分析します。
EUR/JPYも1時間足で見ています。
現在のEUR/JPYは、上昇過程でのレンジを形成中です。
注目は赤い○のポイントになります。
赤い○のポイントは、9月27に付けた下落前の高値ラインですが、現在までに2回の反発を見せています。
ラインは徐々に機能しなくなりますが、3回目の挑戦があれば再度上昇の可能性もあるでしょう。
現在は上目線の相場になっているので、週初めから高値の挑戦もあり得ます。
163.5円の価格は強く意識されているので、ライン付近での動きに要注意です。
仮に上昇してラインを更新してくれば、次は163.5円のラインが安値ラインとして機能する可能性もあります。
また、仮に下落するとすれば、162円を下回るかどうかが重要になります。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のEUR/JPY相場で重要となるファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。
- 10月17日→欧州中銀政策金利で大幅な利下げがあるか
- その後のラガルド総裁の会見にも注目
- 10月18日→日本の消費者物価指数の影響
- 週全体→欧州の金利変動、日本の衆院選の不確定要素
今週、最も注目すべきは10月17日の欧州中銀政策金利です。
前回会合では大幅な利下げを実施していましたが、今回も更なる利下げが実施されると予想されています。
利下げペースが加速しているとの捉えられ方から、ユーロの下落に繋がってもおかしくありません。
ただし、インフレ率の改善はポジティブな要素となるので、市場の反応に注目です。
10月18日は日本の消費者物価指数も発表されるので、円での変動にも警戒しておきましょう。
週前半は指標を意識した停滞相場になると予想されます。各指標での大きな変動に警戒しましょう。
EUR/USDの振り返り
今週のEUR/USD相場を振り返ります。
EUR/USD30分足の様子です。
以下の流れで変動しました。
- 週前半→売り勢と買い勢が均衡してレンジ形成
- 週半ば→ECB利下げ報道からユーロ売りが強くなり下落傾向
- 週後半にかけて→米CPIの影響で一時的に動くもレンジ形成で終了
週の前半は売り勢と買い勢が均衡しました。
取引量もそれほど多くはなく、レンジを形成しています。
明確な売買材料がなかったことが要因と言えるでしょう。
週半ばに入ると、翌週のECB利下げの報道があり、ユーロの売りが強まっています。
レンジのサポートラインを割って若干の下降トレンドが形成されます。
週後半にかけては、米CPIの影響で一時的に大きく動く場面がありましたが、反発も早くレンジを形成したまま終値を迎えました。
今週のポイント(テクニカル)
EUR/USD相場をテクニカル面で分析します。
EUR/USDは、そのまま30分足で見ていきます。
現在のEUR/USD相場は、下降トレンドの最中です。
しかし、短期的にはレンジが形成されているので、短期での明確な相場の方向性は定まっていないと言えるでしょう。
まずは、赤い○のポイントに注目です。
前回まで意識されていた安値のラインですが、現在は高値ラインに切り替わっています。
現在まで3回ほど反発をしているので、このラインを上抜けしてくるようであれば、トレンド転換になってもおかしくないでしょう。
下落の場合は、青い○のポイントに注目です。
米CPIの変動で付けた安値ラインですが、下降する場合は強く意識されそうです。
もしも、青い○のポイントまで下落して更新すれば、再度下降トレンドの継続が見込めます。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のEUR/USD相場に影響しそうなファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。
- 10月14日→米国休場のため、翌日の売買過熱の可能性
- 10月17日→欧州中銀の政策金利の影響
- 10月17日→米小売売上高の影響
- 週全体→米大統領選の不確定要素
10月14日は米国が休場のため、翌日の相場変動に警戒してください。
最も意識されるのは17日になります。
欧州中銀政策金利、米小売売上高と米ドル、ユーロの両方で大きな相場変動が予想されます。
トレンドが発生するとすれば17日以降になると見ていいでしょう。
また、米大統領選のような不確定要素も市場に影響を与える可能性があるので注意してください。
まとめ
USD/JPY→高値圏で停滞した相場、円安加速で150円台の突入も
EUR/JPY→高値圏でレンジ形成、高値で2回の反発を見せており、3回目の挑戦でブレイクの可能性あり
EUR/USD→安値更新もレンジ気味に推移、短期的な相場の方向性は決まっていない
各通貨で大きな動きのない週となりました。
今週は米指標こそ少ないですが、欧州中銀の政策金利等での変動が予想されます。
大統領選や中東情勢などの不確定要素も多いので注意してください。