ドル円一時150円台まで上昇【10月21日週刊レポート】

10月3週目の為替相場を振り返ります。

価格変動や、今後の見通しまで見ていきましょう。

USD/JPYの振り返り

USD/JPY相場を振り返ります。

以下はUSD/JPYの30分足チャートです。

以下のような要因で価格変動がありました。

  • 週明けすぐ→日本、米国休場もドル買い優勢
  • 15日→休場明けの反動から一時的な反発
  • 週半ば→一時的に停滞も木曜日にかけて米利下げ後退観測でドル買い優勢に
  • 週末→調整によりドル売り、円買い進む

今週は米ドル・日本円で目立った指標や売買の判断材料が少なかった週です。

週明けすぐは日本、アメリカと休場でしたが相場は大きく動きました。

ドル買いが優勢で149円台まで上昇を見せます。

15日には、米10月NY連銀製造業景気指数が予想外のマイナスとなったことで米ドルの売りが進みます。この時点では148円台を推移していました。

週半ばは一時的に停滞しますが、木曜日にかけては米利下げペースが後退するのではという見方が広がり、一気に150円台まで円安が進みます。

週末にかけては、調整相場の影響でドル売りが進み、149円台まで下落して終値を迎えました。

今週のポイント(テクニカル)

今週のUSD/JPY相場をテクニカル面から振り返ります。

USD/JPY1時間足の動向です。

1時間足で見ると、USD/JPYは現在高値圏で高値を切り上げている最中と言えます。

価格変動に関してはあまり大きくないですが、上昇傾向の相場になっていることが分かります。

基本的には上目線となるので、短期的に上昇するのであれば149.97円台を上昇できるかが重要です。149.97円を明確に更新すれば、再度150円台で推移することが予想されます。

また、仮に下落するとすれば148.85円台での動きが重要です。

148,85円台で反発すれば再度上昇の可能性もありますが、仮に下抜けしてくればレジスタンスとして機能する見込みです。

レンジ期間が長くなっているので、トレンドが出る可能性も高いでしょう。

今週のポイント(ファンダメンタルズ)

今週のドル円相場に影響しそうなファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。

  • 10月23日→カナダ銀行政策金利の影響
  • 10月24日→米PMI速報値の影響
  • 週全体→米大統領選や日本の衆議院選挙、中東情勢の不確定要素
  • 週全体→米利下げペースに関する報道

今週も先週に続き、極端に注目されるような指標は少ないです。動きがあるとすれば、23日のカナダ銀行政策金利かと見ています。

アメリカと密接な国関係のカナダは、今回の政策金利で0.25%の利下げが予想されており、一時的にでも大きく動く可能性があります。

また、24日の米PMIの影響も変動要因になる可能性があるでしょう。

週全体では、引き続き米大統領選や日本の衆議院選挙、中東情勢などの不確定要素に注意してください。

また、先週のように米利下げペースに関する報道が出ると米ドルの売買に大きな影響与える可能性があります。

EUR/JPYの振り返り

続いて、EUR/JPYの相場動向を振り返ります。

以下は、EUR/JPY30分足のチャートです。

EUR/JPY は、以下のような流れで相場が変動しました。

  • 週明け→緩やかな円安方向に推移
  • 15日→ユーロ圏鉱工業生産の指標が強い結果も市場の反応は薄く円高方向に
  • 週半ば→ECB理事会を控えユーロ売りが加速
  • 17日→ECBの利下げ後に一時大幅下落も即回復
  • 週末にかけてレンジ形成

EUR/JPY相場では、週明けすぐに緩やかな上昇を見せました。しかし、極端な上昇ではなく、前の週の高値であった163円付近で反発しています。

15日の日本の祝日明けになると、徐々に円高水準となり下落していきます。15日にはユーロ圏の鉄工業生産の指標で強い結果となりましたが、市場の反応は薄く円高水準に相場が進んだ形です。

週半ばには、ECB理事会を意識したユーロ売りが進みます。17日のECB理事会では市場予想通りの0.25%利下げとなりましたが、先行してユーロが売られていたと言えるでしょう。17日のECB理事会でも一時的に大きな動きを見せましたが、明確なトレンドが出たわけではありません。

週末にかけてもユーロと円の売買が均衡し、レンジを形成した状態で終値を迎えています。

今週のポイント(テクニカル)

今週のEUR/JPY相場をテクニカル面で分析していきます。

EUR/JPY1時間足チャートです。

USD/JPYはレンジ内でも上昇傾向でしたが、EUR/JPYはレンジ内で下落傾向にあることが分かります。

円での動きよりもユーロの売りが強い状況と判断できるでしょう。

EUR/JPYに関しては、明確な相場の方向性は決まってないと言えます。

上昇するなら、現在3回程度の反発を見せている163.59円台が起点となりそうです。

また、下落する場合は162.0円台が起点となると考えて良いでしょう。

いずれにせよ、レンジ期間が長くなっていることから、今後トレンドが出てもおかしく有りません。

レンジ内高安値付近での動きに注目していきましょう。

今週のポイント(ファンダメンタルズ)

今週のEUR/JPY相場に影響しそうなファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。

  • 週全体→先週のECB利下げの影響や23日のラガルド総裁の会見内容
  • 週全体→日本の衆議院選挙や中東情勢、ウクライナ情勢の状況
  • 10月24日→EU圏のPMIの影響

EU圏でも目立った指標はありません。

強いて言うなら、10月24日のPMI発表で動くかと考えています。

これまでは円軸となって相場が動くことも多かったEUR/JPYですが、USD/JPYと比較してもわかるように、直近ではユーロが軸となった動きも目立ちます。

特に、現在のユーロ圏は軒並み指標結果が悪い状態で続いており、利下げもハイペースとなっている状況です。

今週も先週のECB利下げが影響した相場変動になってもおかしくありません。

23日にはラガルド総裁の会見も予定されているので、注目しておきましょう。

EUR/USDの振り返り

最後にEUR/USDの相場を振り返ります。

以下は、EUR/USD30分足のチャートです。

EUR/USDは以下のような要因で変動しました。

  • 10月14日→米休場もECB理事会を前に先行したユーロ売り
  • 週半ば→欧州株式市場の軟調によるユーロ売り、米ドル買いでの下落
  • 10月18日→ECB理事会後のユーロ売りで急落
  • ※金曜の相場

EUR/USDは下降トレンドが形成された1週間でした。

週の初めは米国の休場でしたが、18日に予定されていたECB理事会の影響で対米ドルでユーロが売られます。ECBの利下げ観測から先行した売りが強まった影響です。

週の半ばもユーロの売りが強まりましたが、これは欧州株式市場の軟調が影響しています。

欧州は直近で軒並み経済悪化の指標結果となっており、経済悪化の懸念から株安・通過安に繋がっています。

18日には注目されていたECB理事会でしたが、市場予想通りの利下げとなったにも関わらず急落しました。

同時に米ドルの買いも入っており、直近の安値ラインを更新しています。

週末には調整相場となり、上昇して急落前の価格まで戻しました。

今週のポイント(テクニカル)

今週のEUR/USD相場をテクニカル面から分析します。

EUR/USDは4時間足で見ていきましょう。

まずは、現在の価格動向についてです。

現在は大幅な下落後に反発していますが、反発した後に1.088ドルでの動きが重要となります。

意識されるラインであり、仮にこのラインで反発すれば再度下落もあり得るでしょう。

基本的な目線は下目線と見ています。

その後、下落するとすれば1.077ドルあたりが重要となるでしょう。

4時間足で大まかな価格動向を見るとダブルトップからの下落となっているので、安値ラインを超えれば大幅な下落になってもおかしくありません。

今週のポイント(ファンダメンタルズ)

今週のEUR/USD相場で重要となるファンダメンタルズ的要素は以下の通りです。

  • 10月23日→カナダ銀行政策金利に連動した米ドルの変動
  • 10月24日→欧州・米国のPMI速報値の結果次第
  • 週全体(米ドル)→大統領選や中東情勢の不確定要素
  • 週全体(ユーロ)→ウクライナ・中東情勢の不確定要素に加え、先週のECB利下げや欧州経済悪化の影響

米ドル指標は少ないですが、カナダ銀行政策金利やPMI発表時の変動に注意してください。

週全体では、米ドルで大統領選や中東情勢に関する報道で突発的な変動になる可能性があります。

10月も後半に差し掛かっており、11月に控える大統領選まで日も近くなってきました。

EUR/USDに限らず全ての通貨での変動に注意しましょう。

ユーロ単体で見ると、先週のECB利下げや直近の経済悪化が懸念されます。

先週のような欧州株式市場の軟調から連動したユーロ売りもあり得るので注意して取引しましょう。

まとめ

USD/JPY→一時150円台まで上昇。上目線だがレンジ期間長いため、急変動の可能性あり。

EUR/JPY→ユーロの売り強く高値圏で停滞。EU金利や株式相場の影響が多い。

EUR/USD→ユーロ売り、ドル買いによる下落相場。下目線で更なるブレイクの可能性あり。

直近では、ドルやユーロの動きが強く円での変動は少なくなっています。

まだまだ不確定要素の多い中なので、引き続き慎重に取引していきましょう。

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