12月3週目の為替相場を振り返ります。
1週間の振り返りや、今週の見通しまで見ていきましょう。
USD/JPYの振り返り
まず、USD/JPYの相場を振り返ります。
以下は、USD/JPY30分足のチャートです。
USD/JPYは、以下のような流れで推移しました。
- 週明け→153円半ばでスタート
- 週始め~週半ば→明確な売買材料なく、レンジ相場を形成
- 12月19日→FOMCでFRBがタカ派姿勢、日銀据え置きの影響で口頭
- 12月20日→調整相場に切り替わり156円台まで戻す
週の始めは、特に窓を付ける様子もなく、153円半ばからスタートしました。
週の前半〜半ばにかけては、明確な売買材料がなかった影響もありレンジ気味に推移します。
FOMCや日銀会合が強く意識されていたと言えるでしょう。
日本時間の12月19日には、FOMCと日銀の会合で相場が大きく動きます。
FOMCでは追加利下げが実施されたものの、2025年の利下げペースは鈍化するとのタカ派的な方針を示します。
その後の日銀会合では追加利上げがなく据え置きとなったことから、ドル円相場が一気に上昇し158円手前まで円安が加速しました。
週末の金曜には、財務相の円安けん制発言があり、一時的に下落しています。
今週のポイント(テクニカル)
今週のUSD/JPY相場をテクニカル面から分析していきます。
今週は日足ベースで分析を行います。
チャートを見て分かるように、現在のドル円は直近最高値まで再上昇中です。
一時的に下落はしましたが、再度上目線の相場に切り替わっています。
今後の動向を占ううえで、2024年4月の高値が強く意識されるでしょう。
2024年4月に付けた158円付近は現在強く意識されている価格とも言えます。
年末が近いので大きな変動には期待できませんが、長期スパンで見ると更新も充分あり得ます。
仮に下落したとしても、2024年11月の高値である156円がサポートとして機能してきそうです。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のUSD/JPY相場で影響しそうなファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。
- 12月24日(火)→日銀・金融政策決定会合議事要旨
- 12月24日(火)→米新築販売件数
- 12月25日~26日→主要国の休場
年末が近いということもあり、強く意識されそうな指標はありません。
そのため、年末特有の不安定な動きに警戒が必要です。
特に、12月25〜26日は米含む主要国がクリスマスで休場となるため、流動性の低下が予想されます。
ただし、機関投資家の売買があると急変動もあり得るでしょう。
徐々にスプレッドの拡大も懸念される相場になるので、基本的には積極的な取引は避けておくことをおすすめします。
EUR/JPYの振り返り
続いて、EUR/JPYの相場を振り返ります。
以下は、EUR/JPY30分足の様子です。
EUR/JPY相場は、以下のような流れで変動を見せました。
- 週明け→大きく下落も陽線が出現
- 週始め~週半ば→ユーロの売りが強く下落傾向に
- 12月19日→円売りの加速で163円後半まで急騰
- 12月20日→上昇が落ち着き高値圏で停滞
EUR/JPYは、週明けすぐに大きな窓を付けました。
しかし、市場の開場と共に大きな陽線を付けて窓を埋めています。
序盤は徐々に上昇を見せていましたが、週の半ばにかけてはユーロの売りが強く下落傾向になります。
12月19日にはFOMCの影響でユーロが売られる場面もありましたが、直後に高騰します。
同日に行われた日銀の政策金融決定会合の影響もあり、一気に163円後半まで価格が伸びました。
週末金曜には円売りも落ち着き、停滞した状態で終値を迎えました。
今週のポイント(テクニカル)
今週のポイントをテクニカル面から見ていきます。
以下は、EUR/JPY4時間足のチャートです。
EUR/JPYは、下降トレンドから徐々に安値を切り上げた相場になっていました。
先週の上昇幅が大きかったので、今回で転換したと言えるでしょう。
市場は完全に上目線の相場へと変わっています。
今後の見通しとしては、まず163.8円を明確に更新できるかが重要です。
このラインを更新してくれば、上目線の継続と言えるでしょう。
その後の高値目途は、2024年11月20日に付けた164.7円台になってくると考えられます。
先週が急騰であったほか、年末が近いということで、今週は現在価格付近でレンジを組む可能性も高いです。
流動性の低下に警戒しましょう。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のEUR/JPYに影響しそうなファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。
- 12月24日(火)→日銀・金融政策決定会合議事要旨
- 12月24日(火)→ドイツ、スイスの休場
- 12月25日~26日→主要国の休場
円で見ると、日銀会合の議事要旨に注目です。
追加利上げを行わなかった日銀ですが、少しでもタカ派の姿勢が見られないと円安が継続する可能性もあります。
またUSD/JPYと同様に今週は重要指標が少ないです。
その代わり、各国の休場に警戒が必要となります。
24日火曜はドイツやスイスなどの一部の国が休場です。
25~26日はほとんどの主要国で休場となるので、大きな変動に期待ができません。
こちらもスプレッドの拡大に警戒していきましょう。
EUR/USDの振り返り
最後に、EUR/USDの振り返りを行います。
以下は、EUR/USD30分足の様子です。
EUR/USDは、以下のような流れで相場が変動しました。
- 週明けすぐ→小さな上窓を付けてスタート
- 週前半~半ば→明確な材料なくレンジを形成
- 12月19日→FOMCの影響で大幅な下落
- 12月20日→週末にかけてドル買い強まり上昇
週明けすぐは、小さな上窓を付けてスタートしました。
しかし、その後は大きな動きが起きていません。
週前半から半ばにかけて規則正しいレンジを形成しています。
意識されていたFOMCを前に投資家たちが様子見に入っていたと言えるでしょう。
12月19日には、FOMCの影響でドル買いが加速し大幅な下落となります。
週末にかけては調整が入り、ドル売りによる上昇で終値を迎えます。
今週のポイント(テクニカル)
今週のEUR/USD相場をテクニカル面で分析します。
EUR/USDも4時間足で見ていきます。
EUR/USDは、現在下落過程からの調整相場です。
大きな下落を経験したのちに、安値圏で停滞しています。
先週のFOMCの影響で大幅な下落になりましたが、まだ明確な安値更新には至っていません。
現在は最安値の挑戦中であると言えるでしょう。
年末相場になるので、今週はこのまま安値圏でのレンジが形成される可能性があります。
しかし、年明けにでも安値を更新してくれば、今後下回ってくることも考えられそうです。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のEUR/USD相場で影響しそうなファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。
- 12月24日(火)→ドイツ、スイスの休場
- 12月25日~26日→主要国の休場
今週は、米欧共に大きな指標がありません。
他の通貨と同様に、主要国の休場が影響しそうです。
アメリカ、ヨーロッパの各国がクリスマスの休暇に入る影響もあり、大きな変動は見込めないでしょう。
取引量の多いEUR/USDでも一気に売買が落ち着く可能性もあります。
スプレッドも拡大する可能性が高いため、無理に狙うのはあまりおすすめできません。
週を通して取引する際は警戒が必要です。
まとめ
USD/JPY→日銀据え置き、FRBタカ派姿勢で上昇。158円台を明確に更新なるか。
EUR/JPY→円安の影響で下降トレンドからの転換。欧州市場の休場から停滞の予想。
EUR/USD→安値圏で停滞。米・欧市場の休場で安値圏での停滞が予想される。
2024年も残りわずかとなっており、今週は停滞した相場が予想されます。
年明けまではテクニカル面で狙いにくい相場になると考えられるので、警戒して取引を行いましょう。