こんにちは、ビジョナリーインベスターズのFXロボです。
FX取引をするうえで、各国の経済指標を確認する事はとても重要となります。
米国雇用統計や各国の政策金利といった指標が重要視されますが、GDP(国内総生産)も注目度の高い指標です。
GDPの発表は各国の通貨に大きく影響を与えるものなので、特徴や概要をしっかり把握しておきましょう。
本記事ではそんな、GDPについて詳しく解説していきます。
GDPとは?
GDPとはGross Domestic Productsの略称です。
日本語では国内総生産と言われます。
一定期間のうちに、国内で生産されたサービスや財に対する付加価値の合計を数値化したものです。
日本のGDP=日本が儲けたお金
GDPの大半は、国民が生活するうえで行う消費と企業が投資を行う民需から算出されます。
その民需に加えて、政府が使った政府支出と海外からの貿易収入を合計したものが、いわゆるGDPとなるのです。
GDPが高くなるとそれだけその国の経済が好調であることを示すほか、利上げの可能性が高まるので通貨が買われやすくなります。
反対にGDPの低下は懸念材料と判断され売りに転じるケースが多いです。
確定値と速報値
GDPは4半期に1回の年に4回発表されます。(カナダは毎月)
しかし、経済指標をチェックしていると、前回のGDP発表から早いスパンでまた同じ国のGDP指標があると気づく方もいるでしょう。
GDPは各2回~3回発表されます。
- アメリカ、イギリス、ユーロ圏の国
→1回目速報値、2回目改定値(速報値の1か月後)、確報値(速報値の2ヶ月後) - フランス、ドイツ
→1回目速報値、2回目改定値(速報値の2週間後) - 日本
→1回目1次速報、2回目2次速報(1ヶ月後)
GDPの速報値は、短期的な経済判断をする目的で発表されるものです。
その名の通り速報性が重視されるものですが、算出方法が比較的曖昧とされています。
改定値や確報値に比べて正確性がないのです。
速報値と改定値の数字に大きな差が生じてしまうと、為替市場が動揺して大きな値動きを起こすケースがあります。
また、改定値や確報値が速報値と同じ水準であればそれほど大きく動かない場合が多いです。
各目GDPと実質GDPの違い
GDPには、各目GDPと実質GDPの2種類に分けられます。
各目GDPとは単純に物価の変動を反映した数値です。
しかし、各国の貨幣価値は時代共に変動します。
日本を例に見ると、戦後の1950年代に大卒初任給が1万円であったのに対して、現代では20万円ほどと貨幣価値が大きく変化している事が分かります。
GDPと共に貨幣価値も変動するので、各目GDPだけでは正確な成長率は把握できません。
そこで、重要となるのが実質GDPです。
実質GDPは、対象となる期間のGDPから同水準の貨幣価値に換算して計算をします。
そうすることで正確な成長率が把握できるのです。
- 各目GDP→生産額等を単純に足したもの
- 実質GDP→物価変動による生産額を考慮して計算されたもの
と覚えておくといいでしょう。
各目GDPと実質GDPに乖離があったら経済はどうなるのか?
各目GDPと実質GDPに差が出ると、国内のインフレ(物価上昇)とデフレ(物価の下落)の問題に繋がります。
上の画像は、ラーメンを例にGDPを表したものになります。
翌年値上げしたにも関わらず、実際に売れた数が前年から500杯増えている状況です。
いずれにせよ消費者が使っているお金は多くなっているので、翌年の方が経済成長率が上がっている事になります。
ラーメン1杯700円で売っていた年を基準に見ると、各目GDPと実質GDPは420万円となります。
翌年分の実質GDPは価格変動を考慮するので、700円×6500杯の455万円となります。そして翌年の各目GDPは売上そのままの520万円です。
この事例を元に経済がどのくらい成長したかを示す計算をしてみましょう。
→520万円÷455万円=1.23
この計算はGDPデフレーターとも呼ばれます。
数値が1以上であれば物価上昇のインフレ、数値が1以下であればデフレとなるのです。
つまり、数値の乖離というよりは、各目GDPと実質GDPのどちらが上回っているかが重要となります。
- インフレ→実質GDP<各目GDP
- デフレ→実質GDP>各目GDP
現在の日本は言わずと知れたデフレ状態なので、実質GDPの方が各目GDPを上回っていると言えます。
FXではGDPをどのように意識すべきか
FX取引をする上で、経済指標に注目する事は大変重要な事です。
経済指標には情報機関による、マーケット予想が公表されています。
その予想値との乖離や、投資家がどう考えたかで相場の方向性は決まるのです。
そのためGDPが前期比よりも上がったから買いが強くなる、下がったから売りが強くなるといった安易なエントリーは禁物といえます。
ファンダメンタルズ分析であれば有効なエントリーポイントになりますが、テク二カル分析で取引する方にとっては、考えても答えの出ない予想となってしまうのです。
あくまでも相場が大きく動く時間と考えて取引に臨むといいでしょう。