【11月18日週刊レポート】

11月3週目の為替相場を振り返ります。

今週の見通しまで詳しく見ていきましょう。

USD/JPYの振り返り

USD/JPYの1週間を振り返ります。

今週は、1週間を通じて円安ドル高が進む相場になりました。

以下のような流れで相場が推移しています。

  • 週明けすぐ→トランプ氏就任の影響が続きドル買い進む
  • 週半ば→米インフレ懸念の再燃でドル買い進む
  • 11月14日→トリプルレッドの影響で再度ドル買い進む
  • 11月15日→調整相場になり155円台半ばで推移

週明けすぐから、米ドルの買いが進みました。

米大統領選ではドナルド・トランプ氏が就任決定となりましたが、大統領選の時期から米ドル高が進んでいます。

週半ばにもドル買いが進んでいますが、これはトランプ氏の政策がアメリカのインフレを加速させると予想されたからです。

11月7日からは一時的に反発を見せていましたが、11月12日には再び直近高値を更新し、154円台に突入します。

ドル高の流れは、週末まで続きました。11月14日には、1ドルが156円まで突入しますが、これはトリプルレッドが影響しています。

「トリプルレッド」とは、米国の共和党が大統領職と連邦議会の上院、下院の多数派を同時に握る状態を指します。この状態により、共和党の政策や法案がスムーズに進めやすくなり、減税や規制緩和、保守的な司法任命などの保守的な政策が推進されやすくなります。トランプ氏の政策がインフレ加速を助長させると考えられたことから、1週間を通じてドルの買いが強い週になりました。

週末にかけては調整相場となり155円半ばで終値を迎えました。

今週のポイント(テクニカル)

今週のUSD/JPY相場をテクニカル面から分析します。

以下は、USD/JPYの日足チャートです。

USD/JPYは、現在上昇トレンドの過程にあることが分かります。

明確な反発もなく強い勢いを保った状態です。

まだ上目線の相場が継続されると考えて良いでしょう。

次の高値目途は、157円台が目安になってくると考えられます。

今年5月に付けた高値ですが、現在の勢いを考えると再度挑戦する可能性も充分ありそうです。

また、角度が急な状態であるため、一時的な下落も充分考えられます。

下落する場合は、154円台の価格が目安になりそうです。

154円台を下回らなければ明確な転換とはならず、押し目として機能して、上昇トレンドの継続が予想されます。

今週のポイント(ファンダメンタルズ)

今週のUSD/JPY相場に影響しそうな、ファンダメンタルズ的要因は以下のようなものがあります。

  • 11月22日→日本の消費者物価指数発表
  • 11月22日→米PMI発表
  • 週全体→トリプルレッドやトランプ氏の政策、発言の内容
  • 週全体→過度な円安に対する介入懸念

今週は、注目される米指標がありません。

先週まで大きく動いたので、今週は比較的落ち着く可能性があります。

日本の指標では、11月22日の消費者物価指数に注目してください。

また、週全体を通して見ると、先週のようなトランプ氏の政策や動向が注目されます。

トランプ氏は、過度なドル高を懸念する発言を多くしていたので、今後の発言一つで大きな転換となるかもしれません。

また、過度な円安ドル高が続いていることもあり、日本での介入懸念も加速すると考えられます。

EUR/JPYの振り返り

続いて、EUR/JPYの1週間を振り返ります。

EUR/JPY30分足の様子です。

EUR/JPYは、以下のような流れとなりました。

  • 週始め→ユーロ買い、円売りで一時的な上昇もすぐに下落
  • 週半ば→円売り強く上昇傾向に
  • 11月14日→EU圏GDP発表で一時下落も即反発
  • 11月15日→円買い進み安値更新で終値を迎える

週の始めは円売り・ユーロ買いが強く上昇傾向にありました。

急な角度を付けて上昇しますが、すぐに反発します。

週明けすぐのヨーロッパ市場ですぐにユーロが売られたため、一時は直近安値への挑戦を見せています。

週半ばまでは再度円の売りが強まり上昇相場になります。

11月14日にEU圏GDP発表の影響で一時下落しますが、すぐに反発して再度上昇相場になりました。

11月15日の週末にかけては円買いが強まり、162円台で終値を迎えています。

週を通して上昇相場でしたが、変動幅は約2円程度とドル円に比べて小さいです。

前の週に続いてあまり大きな動きのない相場になりました。

今週のポイント(テクニカル)

今週のEUR/JPY相場をテクニカル面から振り返ります。

以下は、EUR/JPY1時間足の様子です。

EUR/JPYは、1時間足で見るとレジサポの転換途中です。

現在は急落していますが、角度の強い下落のため再度上昇に転じると見ています。

前回の安値として強く意識されていた164円後半〜165円前半の価格が重要になります。

現在の相場を見ると、安値から上昇して現在は前回安値が高値として機能しています。

現時点で数回の反発をしていますが、今週中に再度挑戦すれば更新する可能性も充分あり得るでしょう。

すると、次の高値目途は166円台となり、一気に上昇することが予想されます。

現在は徐々に安値が切りあがっているので、上目線の相場と考えて良いでしょう。

ユーロ単体での動きにも左右される可能性があるので注意してください。

今週のポイント(ファンダメンタルズ)

今週のEUR/JPY相場に影響しそうな、ファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。

  • 11月19日→EU圏消費者物価指数改定値
  • 11月20日→ラガルド総裁会見
  • 11月22日→EU圏のPMI発表
  • 11月22日→日本の消費者物価指数発表

EU圏は比較的、重要となる指標が多いです。

19日には消費者物価指数の改定値、22日にはPMIが発表されます。

直近ではEU圏の指標がユーロの売買動向に大きな影響を与えているので、注目しながら取引を行ってください。

また、20日にはラガルド総裁の会見もありますが、市場はEUの金融政策に注目しているので、大きく動く可能性もあるでしょう。

EUR/JPYに関しても、米ドルの動向が影響する可能性も高いです。

市場のリスクオフ・リスクオンが顕著に現れる通貨ペアなので、警戒しながら取引を行ってください。

EUR/USDの振り返り

最後にEUR/USDの相場を振り返ります。

EUR/USD30分足です。

以下のような流れで相場が動きました。

  • 週明けすぐ→下窓を付けてスタート
  • 週始め~週半ば→米ドルが強く下降トレンド形成
  • 週後半→調整入るもユーロが弱い影響で安値圏でのレンジ形成

週明けすぐは、米ドルに買いが入った影響で下窓を付けてスタートしました。

その後、週始めから週半ばにかけても大きく下落します。

1週間を通じて米ドルの買いが影響したと言えるでしょう。

トランプ氏の政策がインフレ加速につながる懸念から、米ドルの買いが強まりました。

ただし、ユーロの買いがところどころ見られた影響で下落幅は限定的です。

週末には米ドルで調整が入りますが、週末にかけてはユーロの売りが見られた影響もあり、安値圏でレンジを形成して終値を迎えています。

今週のポイント(テクニカル)

今週のEUR/USD相場をテクニカル面から分析します。

EUR/USD1時間足です。

現在のEUR/USDは下降トレンドの過程であると言えます。

先週も規則正しくトレンドラインに沿った下落を見せています。

昨今の米ドル高が影響していますが、今週は調整相場に切り替わる可能性もあるでしょう。

一時的に上昇したとしても、転換ではなく調整である可能性が高いので注意してください。

基本的に下目線の相場であるため、調整後には再度下落する可能性があります。

1.0496ドルあたりの価格を下回ってくれば、再度下降トレンドが継続するサインとなりそうです。

今週のポイント(ファンダメンタルズ)

今週のEUR/USD相場に影響しそうなファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。

  • 11月19日→EU圏消費者物価指数改定値
  • 11月20日→ラガルド総裁会見
  • 11月22日→EU圏のPMI発表
  • 11月22日→米PMI発表
  • 週全体→トリプルレッドやトランプ氏の政策、発言の内容

今週は、米ドル指標よりもEU圏の指標の方が多いです。

ユーロ単体での動きに注目してください。

特にラガルド総裁の会見では、金利動向の変化から注目が集まっています。

米ドルで見ると指標こそ少ないですが、引き続きトランプ氏の動向や発言に注意してください。

インフレ懸念から再度米ドル高が加速する可能性もあるでしょう。

まとめ

USD/JPY→米ドル高の影響で大幅上昇、米指標こそ少ないが高値挑戦の可能性あり

EUR/JPY→円売りの影響で上昇傾向も週後半に大幅下落、角度が急な下落のため再度上昇の可能性あり

EUR/USD→米インフレ加速懸念から下降トレンド形成、今週は一時的な調整の可能性も

大統領選という重要イベントこそ終わりましたが、依然としてトランプ氏の動向に注目が集まります。引き続き米ドル含む各通貨の動向に注目して取引を行いましょう。

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