11月最終週の為替相場を振り返ります。
12月上旬の見通しも含めて詳しく見ていきましょう。
USD/JPYの振り返り
まずは、USD/JPYの1週間を振り返ります。
以下は、USD/JPY30分足のチャートです。
USD/JPYは、以下のような流れで推移しました。
- 週明けすぐ→下窓を付けてスタート
- 月~火曜日→明確な売買材料もなくレンジ気味に推移
- 週半ば→米利下げ観測から米ドル売り加速
- 週後半→一時的に反発も再度下落
週明けすぐのUSD/JPY相場は、下窓を付けてスタートしました。
金曜の終値は154.7円台でしたが、始値は154.3円台でスタートしています。
大きな窓ではなかったので、週の前半にレンジを組んだことで窓は埋まりました。
しかし、週半ばに入ると相場が大きく動き出します。
次のFOMCでFRBが追加利下げを行うと観測されたことで、米ドルの売りが一気に加速しました。
11月27日時点では150円台まで大きく下落します。
また、一時的な反発は見せましたが、週後半には再度下落して140円台まで突入しました。
週を通して売り圧力の強い相場であったと言えるでしょう。
今週のポイント(テク二カル)
今週のUSD/JPY相場をテクニカル面から分析していきます。
今週は4時間足で分析を行っていきます。
現在のUSD/JPY相場を4時間足で見ると、高値からの転換と判断可能です。
長期的な上昇トレンドが続いていましたが、徐々に下落してきました。
しかしまだ、完全な転換とは言えず、上目線が続いてもおかしくない状態です。
まずは、現在価格付近である149円後半の価格帯での動きが重要になるでしょう。
もしもすぐに反発するようであれば、再度高値挑戦に向かう可能性があります。
下落するとすれば、146円後半〜147円前半の価格が起点になってきそうです。
2024年10月に付けた高値であり、強く意識される可能性があります。
もしも147円台を下回ってくれば、強い売り圧力が継続する可能性が高いでしょう。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のドル円相場に影響しそうなファンダメンタルズ的要因は以下の通りです。
- 12月2日(月)→11月ISM製造業景況指数
- 12月4日(水)→パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言及びADP雇用統計
- 12月6日(金)→米国雇用統計
今週は米指標が多くあります。
12月の開始ということで指標が集中しているので注意してください。
まずは、月曜のISM製造業景況指数が重要になります。
週明けからすぐ大きな動きになる可能性があるでしょう。
12月4日は、パウエル議長の会見やADP雇用統計など重要イベントが集中しているので注意してください。
そして、金曜には今年最後の雇用統計があります。現在高値からの転換中ではありますが、具体的な相場の方向性は雇用統計の影響で決まる可能性もあるでしょう。
EUR/JPYの振り返り
続いて、EUR/JPYの相場変動を振り返ります。
以下は、EUR/JPY30分足のチャートです。
EUR/JPYは、以下のような流れで変動を見せました。
- 週始め→ユーロの買いが見られ上窓を付けてスタート
- 週半ば→明確な売買材料なくレンジ気味に推移
- 週後半にかけて→ユーロ売り、円買いが強まり直近安値の更新
週の始めはユーロに買いが入ったことで上窓を付けたスタートとなりました。
しかし、USD/JPYと同様に小さな窓であり、すぐに窓埋めを見せています。
週の半ばまでは明確な動きもありませんでした。
円もユーロも月末ということで、売買の材料が少なかったことが影響していると考えられます。
週の後半に入ると、大きく下落します。
週後半にかけては市場がリスクオフになり、若干のユーロ売りが見られました。
また、円買いが強く出たことで大きく下落した形です。
週の始めには161円台でスタートしましたが、週の後半には158円台まで価格を戻しています。
今週のポイント(テク二カル)
今週のEUR/JPY相場をテクニカル面で分析します。
EUR/JPYも4時間足で見ていきます。
EUR/JPYは、USD/JPYに比べて下落幅が大きいです。
上昇トレンドから明確に転換していると言えるでしょう。
現在は前回の安値まで価格を大きく下げている状況です。
158.2円台の価格を今週明確に更新できるのであれば、再度売り圧力が強まってもおかしくありません。
その場合は、次の安値目途は2024年9月に付けた155円台となります。
今週は月初ということで高いボラティリティが見込めます。
155円台まで価格を戻して更新までする可能性も充分あるでしょう。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のEUR/JPY相場で重要となるファンダメンタルズ的要素は以下の通りです。
- 12月2日(月)→ユーロ圏の失業率及びPMI改定値発表
- 12月6日(金)→GDP確定値
- 12月6日(金)→米国雇用統計の影響
週明けの月曜は、ユーロ圏の失業率やPMIの改定値が発表されます。
現在売り圧力が高まるユーロですが、経済悪化懸念や追加利下げが売りの材料です。
各指標結果で敏感に反応する可能性があります。
日本円で見ると、目立った指標はありません。
しかし、アメリカの指標に連動して円買い・売りが出る可能性が充分あります。
特に雇用統計の影響は顕著に現れる可能性が高いので、週後半まで警戒して分析を行いましょう。
EUR/USDの振り返り
最後に、EUR/USDの1週間を振り返ります。
EUR/USD30分足の動向です。
以下のような流れで相場が変動しました。
- 週明けすぐ→ユーロ買い・ドル売りで大きな上窓を付けてスタート
- 週前半~半ば→上昇・下落を繰り返すレンジを形成
- 週後半→米ドルの売りが強く上昇傾向
週明けすぐは、米ドルの買いとユーロ売りが強かったと考えられます。
クロス円通貨よりも大きい上窓を付けてスタートしました。
週前半~半ばにかけては、2通貨の売買が均衡しました。
上昇・下落を繰り返すレンジ相場を形成していますが、明確な上昇・下落は見られません。
レンジ幅は大きいので、ボラティリティ自体は高かったと言えます。
週半ば~後半にかけては上昇傾向にありました。
FRBの追加利下げが強く意識されており、米ドルの売りが強まったことから上昇しました。
同時期にユーロは若干の売りが見られましたが、それ以上に米ドルの売りが強かったと言えるでしょう。
今週のポイント(テクニカル)
今週のEUR/USD相場をテクニカル面で分析します。
今週も先週に引き続き日足チャートで見ていきます。
EUR/USDの日足チャートです。
前回は2023年10月の安値をブレイクした状態で終値を迎えていました。
今週の様子を見ると上昇に転じたため、前回安値の更新は一時的なものであったと言えます。
今後は、赤いライン上での動きが重要になってくるでしょう。
高値は1.061あたり、安値は1.045あたりの価格帯が重要になると考えらえます。
日足ベースでは下目線ですが、明確な更新をしなかったことから、今後上昇に転じる可能性も充分にあります。
レンジのラインを先にどちらの方向で抜けるかが重要になってきそうです。
安値ブレイクはダマシになり、上昇トレンドが形成されてもおかしくないでしょう。
今週のポイント(ファンダメンタルズ)
今週のEUR/USD相場で重要になるファンダメンタルズ的要素は以下の通りです。
- 12月2日(月)→ユーロ圏の失業率及びPMI改定値発表
- 12月2日(月)→11月ISM製造業景況指数
- 12月4日(水)→パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言及びADP雇用統計
- 12月6日(金)→EU圏GDP確定値
- 12月6日(金)→米国雇用統計の影響
EU圏の指標も重要ですが、特に米指標の方が重要になってきそうです。
特に雇用統計の影響が懸念されます。
現在に至るまで米ドルの方が相場変動に大きな影響を与えています。
雇用統計次第で相場の方向性が定まってくると考えて良いでしょう。
また、指標にはないですが、12月18日のFOMCに関する情報にも注意してください。
先週のように追加利下げの可能性が示唆されて、先行した米ドルの売りが加速する可能性もあります。
まとめ
USD/JPY→米ドル売り強く高値から転換、まだ明確な転換ではなく、雇用統計の影響が懸念
EUR/JPY→ユーロ売り、円買いで下落傾向、ユーロ指標次第で再度下落の可能性あり
EUR/USD→米ドル売りで上昇傾向に、2023年10月の安値ライン更新はダマシの可能性も
11月も終わり、いよいよ2024年も1か月を切りました。
12月も重要イベントは多くなっており、年末にかけて激しい相場変動が予想されます。
決済に動く投資家も増えることが予想されるので、引き続き警戒していきましょう。